月刊『アフタヌーン』(講談社刊)にて弐瓶勉さんが連載中のSFマンガ『シドニアの騎士』が、アニメ化される。7月5日に発表された。注目されるのは製作陣だ。原作マンガの刊行をする講談社、映像・音楽ソフトの大手キングレコードに加えて、CG制作の老舗ポリゴン・ピクチュアズ(PPI)が出資・参加する。同社がSFアニメの製作に本格参入する。アニメ制作も同社が手掛けるだけに、本格的でハイクオリティーな映像が期待できる。『シドニアの騎士』は、2009年夏に連載開始。現在までにマンガ単行本は10巻まで発売されている。物語の舞台となるのは、対話不能の異生物・奇居子(ガウナ)に太陽系を破壊されてから1000年後の未来だ。宇宙に脱出した人類の一部は、巨大な船シドニアで種としての生存を維持しながら宇宙を旅していた。そのなかで地下で暮らしていた青年・谷風長道は、衛人と呼ばれる大型兵器の訓練生となり、歴史的名機・継衛に搭乗することになる。そえは奇居子との命を賭けた戦いの始まりだった。作者の弐瓶勉さんは、1971年生まれ。1995年に月刊「アフタヌーン四季賞」(講談社)で審査員特別賞を受賞した。その後、「BLAME!」、「BIOMEGA」、「NOiSE」などを経て、いまに至る。スケール感のある、ハイコントラストな独特の作風が特徴だ。英語版だけでなく、ドイツ語版、中国語版が刊行されるなど、世界中で人気だ。ポリゴン・ピクチュアズは今年、設立30周年を迎える日本を代表するCGスタジオだ。これまでも映画や英国CM、アニメーションなど様々な分野で高い実績を残してきた。近年は、SFアニメーションでも世界的に評価を高めている。米国の放送局向けに制作されたTVアニメシリーズ『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』や『トロン:ライジング』、『トランスフォーマー プライム』などが数多くの賞を受賞するなど注目されている。『シドニアの騎士』では、その力が自社製作作品で徹底的に活用されることになる。監督は『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』の静野孔文さん、副監督に瀬下寛之さんが起用される。シリーズ構成・脚本は、『スチームボーイ』、『千年女優』の村井さだゆきさん、プロダクションデザインに『もののけ姫』、『トロン:ライジング』の田中直哉さん、造形監督のスタジオジブリでの活躍が長かった片塰満則さんと、豪華スタッフが揃った。近年、事業の多角化を進めるポリゴン・ピクチュアズだが、得意のCGアニメの分野での活躍が今後さらに期待される。『シドニアの騎士』/http://www.knightsofsidonia.com[スタッフ]原作: 弐瓶勉(講談社『アフタヌーン』連載)監督: 静野孔文副監督: 瀬下寛之シリーズ構成・脚本: 村井さだゆきプロダクションデザイナー: 田中直哉造形監督: 片塰満則CGスーパーバイザー: 上本雅之バトルアニマティクス: 大串映二キャラクターデザイン: 森山佑樹アニメーション制作: ポリゴン・ピクチュアズ 製作: 東亜重工動画制作局
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