映画や演劇の文化発展を目指す一般社団法人映画演劇文化協会は、6月6日に都内のホテルで第32回藤本賞の授賞式を行った。受賞者は今年4月に発表されており、映画『テルマエ・ロマエ』の製作として、プロデューサーの稲葉直人さんが選ばれた。藤本賞は、映画プロデューサーとして活躍した藤本真澄さんを記念して1981年に設立された。映画製作者にスポットを当て表彰する賞として知られている。『テルマエ・ロマエ』はヤマザキマリさんのマンガを原作に実写映画化、2012年4月に公開され大ヒットとなった。興行収入は約60億円、2012年を代表する映画である。また、特別賞には『名探偵コナン』シリーズの製作陣も選ばれた。讀賣テレビの諏訪道彦さん、小学館の浅井認さん、トムス・エンタテインメントの石山桂一さんが選ばれている。同作のプロデューサー3人が揃って受賞した。『名探偵コナン』シリーズは、2013年に劇場最新作17作目「絶海の探偵(プライベート・アイ)」が公開されたロングランシリーズだ。古くからの作品であるにも関わらず、その人気を拡大し続けている。特別賞にはこのほか『かぞくのくに』の河村光庸さんが受賞している。さらに奨励賞には『わが母の記』の原田眞人さん、石塚慶生さん、『桐島、部活やめるってよ』の佐藤貴博さんが選ばれている。実写映画が中心となりがちな、映画界だが、これまでも藤本賞にはアニメに関連する受賞が少なくない。第8回には『となりのトトロ』(『敦煌』と同時)で徳間康快さんが藤本賞、第11回には『おもひでぽろぽろ』で宮崎駿さん、原徹さん、鈴木敏夫さんが特別賞に名前を連ねた。第15回に『ドラえもん』シリーズで藤子・F・不二雄さんが奨励賞、第17回に『もののけ姫』で徳間康快さんと鈴木敏夫さんが藤本賞となっている。2001年以降も第21回藤本賞に『千と千尋の神隠し』(鈴木敏夫さん)、『メトロポリス』(渡辺繁さん)が奨励賞、第22回奨励賞に『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(原恵一監督)、第23回奨励賞に『東京ゴッドファーザーズ』(丸山正雄さん)、第27回藤本賞に「劇場版ポケットモンスター」シリーズ(久保雅一さん)となっている。日本を代表するアニメプロデューサーが名前を連ねる。[真狩祐志]一般社団法人映画演劇文化協会/http://www.eibunkyo.jp/
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