絵本作家やなせたかしさんの作品を原作にしたアニメばかりを集めたオムニバス映画「やなせたかしシアター」が、12月1日から全国公開する。上映作品はいずれも やなせたかし さん原作で、『ハルのふえ』、『アンパンマンが生まれた日』、『ロボくんとことり』である。『ハルのふえ』が48分の中編で、他の2本は短編となっている。小さな子どもたちにも観やすい映画となっている。やなせたかしさんは、「アンパンマン」の原作者、そして数々の絵本の作者としてよく知られている。これまでに「アンパンマン」のほか、『やさしいライオン』、『チリンのすず』といった作品も映画化されている。しかし、今回の『ハルのふえ』は、作者が最も映像化したかった作品だという。本編は人間に化けて人間の子どもを育てたハルとその子どもパルの心暖まる絆をファンタジックに描いている。2011年に第24回東京国際映画祭の特別招待作品となり、好評を博した。ハルとパルをそれぞれ野沢雅子さん、戸田恵子さんという大物声優が演じているのも話題だ。11月23日には、野沢雅子さんが駆けつけた完成披露試写会も開催された。3連休の初日ということもあり、小さい子ども連れの家族が多数来場し、映画を鑑賞した。『ハルのふえ』にちなんだ音大生によるフルートとピアノの生演奏も披露された。野沢さんは、「『ハルのふえ』は、心が本当に温かくなって、泣ける映画なんです。親子の描き方が素晴らしくて、別れのシーンが本当に悲しかったです。」、「見終わった後、ほのぼのとなる本当に素晴らしい作品です。是非、親子と言わず、おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に観にきて頂きたいです。」と本作を紹介した。一方、『アンパンマンが生まれた日』は、テレビシリーズの記念すべき第一話「アンパンマン誕生」をベースに、ミュージカル仕立てた新作だ。「アンパンマン」の原点が、歌と映像で明かされる。ファン必見の1本となる。『ロボくんとことり』は、砂漠で出会ったロボットと小鳥の間に芽生えた友情と旅を描く。やなせたかしメルヘン劇場DVD-BOX(全2巻)に収録され人気となった作品である。これに音響製作作業を行い、劇場映画とした。プレキッズ向けのアニメ作品は、これまでは興行のノウハウが難しいとされ上映されることは少なかった。しかし、近年は夏公開の「アンパンマン」シリーズの好調もあり、より積極的に取り上げられることが増えている。完成から1年以上の間の空いた『ハルのふえ』も、こうしたなかで上映につながったと言えそうだ。冬休みの子どもたちの心に残る一編を提供する機会となる。「やなせたかしシアター」2012年12月1日(土) ロードショー配給: 東京テアトル/http://hal-fue.com/ 『ハルのふえ』 (上映時間:48分)[スタッフ]原作:「ハルのふえ」(2009年小学館刊)脚本: 島田満監督・ キャラクターデザイン:川又 浩音楽: 小森昭宏・佐藤允彦録音協力: オーディオ・プランニング・ユー制作協力: アンサー・スタジオ製作: トムス・エンタテインメント主題歌: はいだしょうこ 挿入歌:佐久間レイ[キャスト]パル: 戸田恵子 ハル: 野沢雅子短編『アンパンマンが生まれた日』 (上映時間約10分)[スタッフ]脚本: 米村正二監督: 川又浩制作協力: アンサー・スタジオ製作: トムス・エンタテインメント[キャスト]アンパンマン: 戸田恵子 他短編 『ロボくんとことり』 (上映時間約10分)[スタッフ]原作: やなせたかし(1999年 フレーベル館刊)脚本: 藤田伸三監督: 川又浩[キャスト]ロボくん: 小杉十郎太 ことり: 千葉妙子
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