7月7日に全国公開された映画『それいけ!アンパンマン よみがえれ バナナ島』が好調だ。公開から一ヵ月あまりたった8月12日付けの興行成績で、観客動員36万人、興行収入4億円を突破した。4億円突破は、映画「それいけ!アンパンマン」のシリーズとしては、1990年に公開された劇場映画第二作『ばいきんまんの逆襲』の6億6400万円以来、22年ぶりの快挙となる。公開以来好調を伝えられていた『よみがえれ バナナ島』だが、数字の上でもこれを証明した。配給によれば、公開1ヶ月がたった現在でも、動員は安定している。子どもが映画館に行く機会の多いお盆シーズンに突入したこともあり、アンパンマン映画歴代2位の第一作目『キラキラ星の涙』の記録4億6194万円を超えることはほぼ確実だという。映画の成功については、同時上映に映画を観ながら一緒にできる“てあそび”を取り入れるなど、映画館に来場する小さい子どもが楽しめるよう工夫を凝らしたことを挙げる。子どもたちの映画館デビューを推進する作品になっていることがヒットの要因だ。「それいけ!アンパンマン」のシリーズのコアターゲットは、2才から5才の未就学児である。通常はあまり映画館に来ず、また客単価も低い。さらに興行は午前中から夕方までに限定されるなど映画としては難しい作品だ。一方で、父母だけでなく、祖父母を含んだ家族での来場が多くあるなど他の作品にない特徴もある。独特のマーケットを読みながらの近年の興行戦略が、2012年に一気に実を結んだと言えそうだ。映画の人気について今年93才の原作者やなせたかし さんは、「アンパンマンの映画を1人でも多くの方々に観てもらい、元気になってくれるとうれしいです。来年は映画もテレビアニメも25周年になります。みなさんがこんなにもアンパンマンを必要としてくださるなら、まだまだ頑張らないといけないなと思って、ぼく自身も元気をもらっています。今年のテーマ“復興”に続き、来年の映画のテーマは“希望”。人間“希望”持って生きていかなくてはいけないことを、作品を通して伝えていければと思っています」と、アンパンマン映画25周年に向けての意気込みを語っている。『それいけ!アンパンマン よみがえれ バナナ島』同時上映:『リズムでてあそび アンパンマンと不思議なパラソル』7月7日(土)より、全国ロードショー中配給:東京テアトル/http://anpanman.jp/movie2012/
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