毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社は、第66回毎日映画コンクールの受賞作、受賞者を1月18日に発表した。同賞は1935年にスタートした日本で最も歴史の古い映画賞のひとつである。およそ20部門から構成される。 このうちアニメーション映画賞には、2011年9月から劇場上映された『蛍火の杜へ』が選ばれた。また、革新的なアニメーション表現をした作品に与えられる大藤信郎賞には『663114』が選ばれた。 毎日映画コンクールは、ふたつのアニメーション賞を持つユニークな成り立ちで知られている。大藤信郎賞は1962年にスタート、現在まで続く国内で最も古いアニメーションの映画賞である。アニメーション映画賞は1989年に新設された。作品全体的な評価をアニメーション映画賞、映像表現への挑戦への評価を大藤信郎賞が担うかたちだ。 第66回の結果は、他の賞には見られない独自の選考が光ったかたちだが、こうしたふたつの賞の特徴がより明確に表れた。 『蛍火の杜へ』は、緑川ゆき さんの同名のマンガを大森貴弘監督がアニメ化した。アニメーション制作は、近年、クオリティの高い作品を数多く生み出すアニメスタジオ ブレンズ・ベースである。 これらのスタッフはテレビアニメシリーズ『夏目友人帳』でよく知られているが、緑川ゆき さんの原点となる妖奇譚作品として2011年に長さ44分の中編として『蛍火の杜へ』映画化した。本作だけでなく、何年にもわたった『夏目友人帳』の活動も評価したと言えそうだ。 一方、『663114』は、アニメーション映画としては異色の存在だ。平林勇監督が東日本大震災直後に福島第一原発事故後の未来を8分間のアニメーションで描いた。セミを主役にしたストーリーは高いメッセージ性を持つ。平林監督にとっては初のアニメーション作品となる。 映画はこれまでにサンダンス映画祭、ベルリン映画祭、クレルモンフェラン国際短編映画祭などの国際映画祭で上映されてきた。大藤信郎賞の受賞でさらに関心が集まるだろう。 また、男優主演賞には『モテキ』の森山未來さん、女優主演賞には『毎日かあさん』の小泉今日子さんが選ばれている。いずれもマンガ原作の映画である。2次元のキャラクターを演技として具現化したふたりが評価された。 2月13日には、川崎・チネチッタで表彰式が開催される。また、2月の上旬に各賞の選評を公開予定している。受賞結果と併せると、なぜこれらの作品が選ばれたのか分かり興味深いに違いない。第66回毎日映画コンクール /http://mainichi.jp/enta/cinema/mfa/『蛍火の杜へ』 公式サイト /http://www.hotarubi.info/
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