角川グル―プのデジタルコンテンツ戦略会社である角川コンテンツゲートが、デジタルからリアルの単行本を生み出す企画に乗り出す。携帯配信向けに展開してきたふたつのマンガレーベル「男主」と「百合缶」の人気作品を単行本化する。 「男主」はボーイズラブ(BL)をテーマにしたマンガを中心に、「百合缶」がガールズラブ(GL)を中心にしたレーベルである。いずれも新進気鋭の作家陣が、携帯向けに毎月描き下ろしてきた。これが書籍となり店頭に並ぶ、これまでの多くの電子書籍と反対の流れを取る。 書籍化第1弾は、「男主」からは『X.T.C 少年忍者快楽伝』と『調理され系男子』の2冊、「百合缶」からはアンソロジー『百合缶Feuille』である。いずれの作品も携帯では読者の圧倒的支持を受けた。 これまでは携帯電話のコマビューだったが、ページビューで読むことが出来るのが単行本の魅力だという。携帯から紙へ新たなコンテンツの魅力が生み出せるか注目だ。 もうひとつの試みは、女性向けマンガ誌「コミック ゲートアッシュ」の立ち上げだ。すべての女子と一部の男子に捧げるハイブリッド・オールジャンルコミック誌を掲げる本誌は、若手作家を中心とした構成でフレッシュ感を打ち出す。 10月31日にVol.1に定価630円で発売されるが、すでにBOOK☆WALKERにて10月27日より先行配信されている。こちらもネットから紙媒体とこれまでとは逆の流れを作りだす。しかもVol.1は特別価格、AndroidOSは無料、iOSは85円という驚きの価格設定だ。 ネット、モバイルは、他で生まれたコンテンツを2次利用、3次利用する場と思われがちだ。しかし、角川コンテンツゲートは、ネット、モバイルでそれを作りだし、他で展開することを目指す。こうした動きが今後さらに広がるのか気になるところだ。画像: 「百合缶Feuille」「コミック ゲートアッシュ」/http://kadokawa-cgate.co.jp/con/ash01/
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