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経産省 メディア・コンテンツ分野のクール・ジャパン戦略で報告書

日本のメディア・コンテンツ産業を巡る現状と施策のあり方を示す調査報告書「平成22年度クール・ジャパン戦略推進事業 メディア・コンテンツ分野における戦略構築及び他分野への波及効果調査」を

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 経済産業省は日本のメディア・コンテンツ産業を巡る現状と施策のあり方を示す調査報告書「平成22年度クール・ジャパン戦略推進事業 メディア・コンテンツ分野における戦略構築及び他分野への波及効果調査」を9月5日にサイトにて公開した。
 同省は「クール・ジャパン」をコンセプトに、日本のクリエイティブ関連産業振興を目指す戦略を進めている。今回の調査報告は戦略を進めるうえでの論点や、他国で取られている施策などをまとめている。7コンサルティング企業のA.T.カーニーが今年5月に取りまとめた。

 報告書は7つのパートに分かれ、およそ100ページにも及ぶ。内容は映画、テレビ番組、アニメーション、ゲーム、マンガ、キャラクターなどの各国のコンテンツ市場の規模や市場環境、ハリウッドビジネスに対する分析、産業波及効果、政策など詳細にわたる。国別分野別の数字的な裏づけは、行政だけでなく企業にとっても興味深いものに違いない。
 しかし、全体の論点はシンプルで明白で、世界のコンテンツ市場の規模、流れを理解することで、今後の施策の参考にするものである。数字や参考資料は、そうした考え方を補強するものだ。

 かなりボリュームのある報告書なので、全体に目を通して気になる部分を読み込むのもよいだろう。とりわけ、映画やアニメーションへの言及も多くこの分野の専門家には参考になるだろう。
 とりわけ注目したいのは海外のグローバル・コンテンツ企業のビジネスモデルとして、ウォルト・ディズニーと並びオランダのエンデモール(Endemol)挙げた点である。日本では必ずしも名前が知られていない企業だが、中規模な国から国際展開する例として最適だ。
 また、日韓の国によるコンテンツ産業施策の比較も重要だ。韓国の施策は素晴らしいと概念的に語られることの多いが、ここでは具体的な施策や投入資金の違いなどを客観的に評価する。

 最後のまとめでは、現在のメディア・コンテンツ産業の変化についても触れている。現在の変化を5つの動き、■ネットメディアへの転換、■プラットフォームの興隆」、■UGCの増加、■消費行動の個別化、■共感型プロモーションへの転換にまとめる。ここでは、そうした動きの代表例としてクリプトン・フューチャー・メディアの「初音ミク」も挙げられている。
 調査報告書自体は、具体的な政策提言をするものではない。しかし、むしろそれだけに議論の叩き台として力を発揮しそうだ。

経済産業省 /http://www.meti.go.jp/
クールジャパン戦略
/http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/
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