マンガ家浦沢直樹さんが、米国で大きな賞に輝いた。7月22日、カリフォルニア州サンディエゴで開催された2011年のアイズナー賞(The Will Eisner Comic Industry Awards)の授賞式で、代表作『20世紀少年』が国際賞海外アジア部門の最優秀賞(Best U.S. Edition of International Material – Asia category)に輝いた。 アジア部門は米国で翻訳発刊されたアジアのマンガ、コミックスを対象にしており、2011年は5作品が候補に挙がっていた。候補作は『20世紀少年』を含めて全て日本のマンガで、『奇子』(手塚治虫)、『うさぎドロップ』(宇仁田ゆみ)、『「酔夢」ほか』(萩尾望都)、『さらいや五葉』(オノナツメ)である。2004年にフランスのアングレームでの最優秀長編賞に続く、国際的な賞の受賞である。
しかし、米国作品に交じって候補に挙がっていたベストコンティニューシリーズ賞(Best Continuing Series:現在刊行中のベスト作品)、作家個人を対象とするベストアーティスト賞(Best Writer/Artist)の受賞は逃した。アジア部門の受賞と複数のノミネートで存在感をみせる一方で、5年連続ノミネートされたベストコンティニューシリーズ賞では受賞に届かず、米国での賞という壁の厚さに阻まれたかたちだ。 また、ベスト翻案賞(Best Adaptation from Another Work)のノミネートになっていた『70億の針』(多田乃伸明)も受賞には至らなかった。