「フレデリック・バックの映画」公開 西村由紀江さん映画の思い出を語る | アニメ!アニメ!

「フレデリック・バックの映画」公開 西村由紀江さん映画の思い出を語る

神保町シアターで、カナダのアニメーション監督フレデリック・バックさんの代表作4本を紹介する「フレデリック・バックの映画」の公開が始まった。

イベント・レポート
注目記事
backshonichi1.JPG 7月2日から東京・神田神保町の神保町シアターで、カナダのアニメーション監督フレデリック・バックさんの代表作4本を紹介する「フレデリック・バックの映画」の公開が始まった。上映作品は、1978年の『トぅゥ・リアン』、1981年の『クラック!』、1987年の『木を植えた男』、そして1993年の『大いなる河の流れ』である。
 短編アニメーションというと堅苦しく感じる向きもあるかもしれないが、作品に盛り込まれたメッセージは自然や環境、伝統文化など分かりやすい。そして何よりも、水彩画のような柔らかな映像の広がり観るものに共感を与える。上映される4本作品のうち2本が米国アカデミー賞短編アニメーション賞受賞、残りの2本がノミネートということからも、その評価の高さも理解出来るだろう。

 上映作品のなかでも『木を植えた男』は、最も多くの人に知られた作品だ。南仏の荒れ地に一人で木を植え続けて、そこを森に変えた男の物語だ。この原作に感銘を受けたフレデリック・バックさんが、5年半の歳月をかけ、2万枚の作画と共に30分のアニメーションとしたのが本作だ。
 原作から生れたアニメーションは、さらに多くの人に感動を広げている。ピアニストとして活躍する西村由紀江さんもその一人だ。

 公開初日の上映第一回では、西村由紀江さんとジブリ美術館の中島清文館長を招いたトークショーが開催された。二人が映画の思い出と魅力を紹介した。
 西村由紀江さんがフレデリック・バックの作品に出会ったのはいまから15年前、自分の在り方に迷っていた頃である。その時に、人から紹介された『木を植えた男』を観て感銘を受けた。
 自分を信じてひたすらドングリを植え続ける主人公、そしてこちらもまた1枚1枚の絵を描き続けたバックさん。私も自分の信じる道をじっくり行くだけとの思いに至ったという。その後は、演奏会も以前よりシンプルになるなどの変化もでた。原作への感銘がアニメーションを、それがまた新たな音楽を生みだす。アートの連鎖が生まれている。

 劇場では上映期間中、クロモジとヒノキをブレンドした日本の森の香りを用意し、来場者に森の中に入った気分を届ける。また、会場ロビーには映画『クラック!』に登場したロッキングチェアーが特別展示されている。これはフレデリック・バックさん自身による設計図から再現されたものである。映画だけでなく、会場全体でフレデリック・バックの世界を体験出来るようになっている。
 また、東京都現代美術館では、同日から「フレデリック・バック展」もスタートした。こちらはアニメーションの素材となった原画やセル画、さらにそこに至るまでの絵画やイラストレーションも展示する。映画と併せて観ると、さらに作品を楽しめるだろう。

        backshinichi2.JPG

『フレデリック・バックの映画』
/http://www.ghibli-museum.jp/back/theater/

神保町シアター
[上映スケジュール]
12:30 / 14:45 / 17:00 / 19:15
住所: 東京都千代田区神田神保町1-23
電話番号: 03-5281-5132
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

特集