2010年も12月に入り、いよいよ年の暮れが近づいている。米国の映画業界では恒例の賞レースが熱気を帯びてきた。映画賞の目玉は映画芸術科学アカデミーによるアカデミー賞だが、その前哨戦ともいうべき各賞の発表が始まった。 アニメーション賞では、12月6日にノミネート作品が発表されたアニー賞のほか、ワシントンDC映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、ボストン映画批評家協会賞、ニューヨーク・オンライン批評家協会賞が明らかになっている。そして、現在までで、4つの批評家協会賞の全てをリー・アンクリッチ監督、ディズニー/ピクサーの『トイ・ストーリー3』が獲得し、その圧倒的な強さを見せつけた。今後発表されているアカデミー賞、アニー賞も『トイ・ストーリー3』を軸に展開しそうだ。 『トイ・ストーリー3』の行く手を阻む可能性があるのは、ドリームワークスアニメーションの『ヒックとドラゴン』、シルヴァン・ショメ監督の『イリュージョニスト』といったところだ。実際に次点を発表するロサンゼルス映画批評家協会賞では、それは『イリュージョニスト』となっている。世界的に知られたショメ監督の実力が評価された。 しかし、ノミネートを公表するワシントンDC映画批評家協会賞では同作はノミネート5本に含まれなかった。ハリウッドムービーに対して、公開規模が小さく知名度不足がネックになる可能性がある。 知名度の高さでは、『ヒックとドラゴン』が有利であろう。特に、近年ドリームワークスの作品の受賞傾向が強いアニー賞では作品賞だけでなく、長編映画部門のほとんどで賞を狙える。ドリームワークスアニメーションの最高傑作とも評される同作の動向が注目される。
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