多くの企業やクリエイターとアニメ制作は都市型産業とされることが多い。しかし、最近は地方に拠点を構えるスタジオが増えている。そうしたスタジオが話題作、人気作を生み出すことも多く、アニメ制作の新しい風を感じさせる。 茨城県つくば市に拠点を構える株式会社メディクリエもそうした会社のひとつかもしれない。同社はアニメ制作部門スタジオぷYUKAIにて、話題のアニメを生み出し続けている。アニメの制作は主にフラッシュで、少ないスタッフで話題作が次々に登場する。制作に関わった作品には『腐女子の品格』、『殿といっしょ』、『ぼく、オタリーマン』などがある。 そして、このスタジオぷYUKAIが、地元茨城県の農業を支援するオリジナルアニメーション『あぐかる』を制作した。同作はテーマを「農業」、「茨城県・茨城農業応援アニメーション」として、茨城県の農業を盛り上げる内容になっている。 主人公 原木さなえは田畑の精霊が見ることができる農家の娘、農作を作るため毎日農業の手伝いしている女の子。そんな平和な田畑を狙う連中がいると、「さなえちゃん!大地の恵みで変身よ!」の言葉と共に農家の愛を一身に受け、農業天使(アグリカルチャーエンジェル)バラキちゃんに変身し、お米の精霊「いなほ」と一緒に茨城の農業を守る。変身魔法少女アニメの伝統を受け継ぎつつ、地域を盛り上げるユニークな作品に仕上がっている。 作品はスタジオぷYUKAIによる完全オリジナルアニメとなっており、現在、その第1話「バラキちゃん参上!!」が、YouTubeとニコニコ動画で配信されている。9月8日の公開以来、わずか2週間で配信回数が1万5000回を上回るなど大きな反響を呼んでいる。スタジオぷYUKAIは、今後もネットを起点に作品の紹介する。 ここ数年、アニメを利用した地域振興が活発化している。地方紹介アニメ作品もそうした動きの一環である。そうした作品は、フラッシュアニメとして制作されることも多い。『あぐかる』も、そんな現在の流れを受けたものだ。『あぐかる』 公式サイト /http://puyukai.com/agukaru/監督・脚本: 芦名みのる 演出・アニメーション: たけはらみのる キャラクターデザイン: 芦名みのる/たけはらみのる/小笠原心平 制作: スタジオぷYUKAI /http://puyukai.com/