2010年8月7日、8日、東京・タワーホール船堀で開催される第49回日本SF大会 2010 TOKON10は、5月8日に2010年の星雲賞の参考候補作品を公開した。星雲賞は1970年から始まるもので、9部門にわけられた国内外のSF作品の中からSF大会の参加者の投票によって選び出す。 SFに関連する賞としては国内で最も古く、毎年注目を浴びている。参考候補作品は星雲賞の投票者に提示されたリストで、ノミネート作品の機能を持っている。前年の国内でのSFの状況、成果を知るにも、有難いリストになっている。 2010年は昨年に続き、日本長編部門、日本短編部門、海外長編部門、海外短編部門、メディア部門、コミック部門、アート部門、ノンフィクション部門、自由部門で構成される。 このうちアニメーションの関連で注目されるのは、これまでアニメの受賞も多いメディア部門である。2010年の参考候補作にもアニメが挙げられている。細田守監督の『サマーウォーズ』と志水淳児監督の『フレッシュプリキュア! おもちゃの国は秘密がいっぱい!』である。 細田監督は2007年には『時をかける少女』で同賞を受賞しており、2作品連続の受賞となるか気になるところだ。また、『フレッシュプリキュア!』はシリーズ7年目にして、ますます作品の評価を上げる昨今のプリキュア現象を象徴することになる。アニメの星雲賞受賞は、2007年、2008年『電脳コイル』、2009年『マクロスF』と3年続いている。 アニメ以外では『アバター』、『スター・トレック』、『ウォッチメン』、『ターミネーター4』、『トランスフォーマー:リベンジ』とVFXを盛り込んだハリウッドの大作映画が並ぶ。話題作ばかりで、2009年がSF洋画の豊作の年だったことが分かる。 コミック部門は7作品が挙げられた。『HELLSING』、『PLUTO』、『函館妖人無頼帖 ヒメガミ』、『ふたつのスピカ』など話題作で、2009年に最終巻が発売された作品が中心となった。前回の受賞作品は内藤泰弘さんの『トライガン・マキシム』、今年の行方も注目だ。 さらに自由部門では『機動戦士ガンダム』放映30周年を記念して制作・公開された「実物大ガンダム」が、「KOBE鉄人PROJECT」、「セカイカメラ」、「ラブプラス現象」と共に挙げられている。また、長編部門では、2009年にアニメ化され、著者栗本薫さんが逝去したことから未完のまま最終巻を迎えた「グイン・サーガ」シリーズ、またアニメ化されたこともある「戦闘妖精・雪風」シリーズの最新作『アンブロークン・アロー 戦闘妖精・雪風』(神林長平)も選ばれている。 第49回日本SF大会 2010 TOKON10は、SF小説だけでなく、映像、アニメ、マンガなど様々なテーマを取り上げた企画を用意する。ゲストには映画監督・脚本家の佐藤嗣麻子さん、マンガ家萩尾望都さん、作家夢枕獏さんらを招く。 現在は、割引価格となる事前申し込みを受け付けている。また、星雲賞投票権と当日配布物のみを受け取れる参加登録(3000円)も可能だ。第49回日本SF大会 2010 TOKON10 /http://tokon10.net/星雲賞(参考候補作) /http://tokon10.net/seiun_award.html[メディア部門参考候補作] 『サマーウォーズ』 細田守(監督) 『アバター』 ジェームズ・キャメロン(監督) 『スター・トレック』 J・J・エイブラムス(監督) 『ウォッチメン』 ザック・スナイダー(監督) 『ターミネーター4』 McG(監督) 『トランスフォーマー:リベンジ』 マイケル・ベイ(監督) 『フレッシュプリキュア! おもちゃの国は秘密がいっぱい!』 志水淳児(監督) 『日曜劇場・JIN-仁-』[コミック部門参考候補作品] 『よみきりものの…』 竹本泉 『HELLSING』 平野耕太 『PLUTO』 著:浦沢直樹 原著:手塚 治虫 プロデュース:長崎尚志 『函館妖人無頼帖 ヒメガミ』 環望 『ふたつのスピカ』 柳沼行 『トワイライト大禍刻』 魔夜峰央 「楽園の泉」 吉川うたた他部門の参考候補作品は第49回日本SF大会 2010 TOKON10 公式サイトにて確認ください。
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