これまでに映画甲子園や音楽甲子園なども企画して来た学校マルチメディアネットワーク支援センターが、経済産業省、日本動画協会、日本音声製作者連盟の後援を受けて主催する。若い才能がアニメ制作を体験しながら、自ら文化を発信する力を持つこと目指す。
アニメ甲子園はオリジナルアニメーション部門、パラパラアニメーション部門、シナリオ・ストーリー部門、キャラクター・デザイン部門、ボイスアクト部門の5部門から構成される。
今回はオリジナルアニメーション部門77作品、ボイスアクト部門341作品をはじめ、全部で817ものエントリーがあった。3月27日には、この中から特に優秀とされた各部門の受賞者が表彰を受けた。
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オリジナルアニメーション部門の最優秀賞にあたる日本動画協会賞は、和歌山県立耐久高校3年の茶賣優年(ちゃうり・ゆうと)さんら制作した『TREASURE HUNTER』に贈られた。作品はホワイトボードと黒板を利用した長さ9分を超え、その総コマ数はなんと4000にも達する。制作に4カ月以上という力作だ。
もともとは文化祭に向けて制作したものだが、ギャグ的要素も交えながらのテンポのアニメーションが高い評価を受けた。審査委員からも「とても手間がかかっている作品。背景・アングル・動きに対するこだわりが強く感じられた。魅力的なオープニング、ストーリー展開にもセンスが光っていた」と称賛を受けた。
『TREASURE HUNTER』はこのほか、NPO法人学校マルチメディアネットワーク支援センター賞(SMN賞)も受賞。さらに2011年に北海道夕張市で開催されるゆうばり国際ファンタスティック映画祭でも上映が決まるなど広く紹介されることになる。
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応募作品が最も多かったボイスアクト部門は、当日会場にて最終審査進出の10人が演技審査に挑んだ。ハイレベルな競争を勝ち抜いたのは、洗足学園高等学校3年の田頭里奈(でんどう・りな)さん。見事なキャラクターの演じ分けが、受賞の決め手となった。
実は田頭里奈さんは1年生の頃からアニメ甲子園に3回連続参加、そして3大会連続日本音声製作者連盟賞(最優秀賞)受賞の快挙である。審査委員からは、参加者のレベルの高さに対する驚きの声が多くあがった。
このほかパラパラアニメーション部門では大坂成蹊女子高校 富原友里さんの『富子0号』が杉並アニメーションミュージアム館長賞(最優秀賞)を受賞、シナリオ・ストーリー部門では辻真先賞(最優秀賞)を北陸高校の石動康平さんの『ヒーローという名の怪人』が受賞している。
キャラクター・デザイン部門は、キャラクターとメカデザインそれぞれに賞が設けられている。最優秀キャラクター・デザイン賞は、大阪成蹊女子高校山中智代さんの『ロッジ、IC』、最優秀メカデザイン賞には新潟県立新発田南高校の竹内秀太さんによる『ドナイデッカー』が選ばれた。
アニメ甲子園公式サイト /http://www.smn.or.jp/animekoushien/