米国アカデミー賞アニメーション部門「カールじいさん」と「Logorama」 | アニメ!アニメ!

米国アカデミー賞アニメーション部門「カールじいさん」と「Logorama」

3月8日、米国・ロサンゼルスのコダックシアターで、第82回アカデミー賞の授賞式が行われた。授賞式では注目の各賞の受賞作品、受賞者が発表され、豪華なゲスト陣と伴に華やかさを演出した。このうち長編アニメーション映画賞には、ピート・ドクター監督の3D CGのアニメ

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 3月8日、米国・ロサンゼルスのコダックシアターで、第82回アカデミー賞の授賞式が行われた。授賞式では注目の各賞の受賞作品、受賞者が発表され、豪華なゲスト陣と伴に華やかさを演出した。
 このうち長編アニメーション映画賞には、ピート・ドクター監督の3D CGのアニメーション映画『カールじいさんの空飛ぶ家』が選ばれた。これまで数々の名作アニメーションを生み出してきたディズニー/ピクサー・アニメーションスタジオの最新作である。
 子供向けのアニメーションであるにも関らず、老人が主人公というディズニーにとっても挑戦的として話題を集めた作品だ。結果的には、心暖まる物語と映像の素晴らしさから世界的なヒットになり、アカデミーでもそれが評価された。

 本年のアカデミー賞長編アニメーション部門は、『The Secret of Kells』をはじめ『Fantastic Mr. Fox』や『コララインとボタンの魔女』といったハリウッドのブロックバスター作品と一線を画した野心的な候補リストになっていた。
 しかし、蓋を開けてみれば、大本命の『カールじいさんの空飛ぶ家』が順当に受賞する結果となった。逆に言えば、誰も文句のつけようがない受賞かもしれない。それだけ『カールじいさん』が強かったというわけだ。また、『カールじいさんの空飛ぶ家』は、作曲賞でもマイケル・グッアキーノ氏が受賞をしている。アニメーション映画には珍しい、アカデミーのダブル受賞だ。

 短編アニメーション部門も今年はやや変わった作品が選ばれた。ニコラス・シュメルキン監督のフランス アニメーション『Logorama』である。CGアニメーションではあるけれど、どこかしら2Dアニメーションやストップモーションのテーストを感じさせる作品だ。
 そして、一番目を惹くのは、そのタイトル『Logorama』の由来となっている作品の中に溢れる企業ロゴだ。作品の登場人物、街の風景が古今東西のあらゆる企業のロゴやシンボルから構成されているのだ。作品の主要登場人物に、マクドナルドのドナルドとミュシュランのキャラクターといった具合だ。

 『Logorama』は、社会批評性の強いパロディが全面に押し出された作品である。これまでは米国アカデミー賞の短編アニメーション部門と言えば、アートアニメーションや映像技術のクオリティの高さに注目したものが多かった
 今回の『Logorama』の同賞受賞は、これまでにあまりないものである。短編アニメーション賞の変化を感じさせるものでもある。

 アニメーション以外で注目を浴びていた作品賞、監督賞などでは、『ハート・ロッカー』が両部門を含む6部門を受賞して存在感をみせつけた。
 一方、その対抗馬とみられていた『アバター』は美術賞、視覚効果賞、撮影賞と視覚関連の分野でやはり強さを発揮している。アカデミー賞の受賞は、既に132億円に達している同作の国内興収記録をさらに伸ばすことになるだろう。

米国アカデミー賞 公式サイト(映画芸術科学アカデミー)
/http://www.oscars.org/awards/index.html
《animeanime》
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