今年で14回目を迎える手塚治虫文化賞のマンガ大賞候補6作品が、主催者の朝日新聞社より発表された。手塚治虫文化賞は日本のマンガ文化の発展に大きな役割を果たした手塚治虫さんの業績を記念して1997年にスタートした。優れた作品、人物を顕彰することで、マンガ文化の発展を目指す。 年間を通じて最も優れた作品に与えられるマンガ大賞、斬新な表現や画期的なテーマなどの清新な才能の作者に贈られる新生賞、短編、4コマ、1コマなどを対象とする短編賞、そしてマンガ文化の発展に寄与した個人・団体に贈られる特別賞から構成される。歴史は決して長くないが、作品の選考に定評があり、国内のマンガ関連の賞では最も重要なひとつとなっている。 今回発表されたのはマンガ大賞の候補作品である。三宅乱丈さんの『イムリ』(エンターブレイン)、いがらしみきおさんの『かむろば村へ』(小学館)、こうの史代さんの『この世界の片隅に』(双葉社)、東村アキコさんの『ひまわりっ~健一レジェンド~』(講談社)、山田芳裕さんの『へうげもの』(講談社)、真鍋昌平さんの『闇金ウシジマくん』(小学館)の6作品である。 選考委員が15点の持点を全国のマンガ関係者からの推薦により集まった作品を参考に投票し、その上位6作品をノミネートとした。今後は選考委員による最終選考会において、この6作品の中から合議により大賞を決定する。大賞作品は新生賞、短編賞、特別賞と伴に4月中旬に発表される。 候補作品は『闇金ウシジマくん』が昨年に続いてノミネートされたの注目される。今年のフランス・アングレームの国際コミック(バンド・デシネ)フェスティバルの公式セレクションにも選ばれた評価の高い作品である。 また、文化庁メディア芸術祭のマンガ部門との重複候補が目立つのも特徴だ。『イムリ』、『この世界の片隅に』、『へうげもの』はいずれも今年のメディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作である。また別のメディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作五十嵐大介さんの『海獣の子供』は、昨年、一昨年の手塚治虫文化賞の候補作である。こんな視点からも、受賞作品を予想してみるのも楽しいかもしれない。第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞/http://www.asahi.com/shimbun/award/tezuka/[候補作] 『イムリ』 三宅乱丈 (エンターブレイン) 『かむろば村へ』 いがらしみきお (小学館) 『この世界の片隅に』 こうの史代 (双葉社) 『ひまわりっ~健一レジェンド~』 東村アキコ (講談社) 『へうげもの』 山田芳裕 (講談社) 『闇金ウシジマくん』 真鍋昌平 (小学館)[選考委員] 印口 崇: マンガ評論家 呉 智英: 評論家 竹宮惠子: マンガ家・京都精華大学マンガ学部長 中条省平: 学習院大学フランス語圏文化学科教授 永井豪: マンガ家 藤本由香里: 評論家・明治大学准教授 三浦しをん: 作家 村上知彦: 評論家・編集者・神戸松蔭女子学院大学教授 朝日新聞社編集担当 朝日新聞東京本社文化エディター
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