「マイマイ新子」高樹のぶ子さん 「中高年の方にPRしないと」 | アニメ!アニメ!

「マイマイ新子」高樹のぶ子さん 「中高年の方にPRしないと」

 12月27日、福岡交通センタービルで「マイマイ新子」の原作者・高樹のぶ子さんのトークショーとサイン会が開催された。このイベントは、現在劇場公開中のアニメーション映画『マイマイ新子と千年の魔法』も兼ねたものである。
 19日には、東京の紀伊國屋書店新宿本店

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takagi1.jpg 12月27日、福岡交通センタービルで「マイマイ新子」の原作者・高樹のぶ子さんのトークショーとサイン会が開催された。このイベントは、現在劇場公開中のアニメーション映画『マイマイ新子と千年の魔法』も兼ねたものである。
 19日には、東京の紀伊國屋書店新宿本店で開催されていたが、今回も福岡交通センタービルに紀伊國屋書店福岡本店があることや、高樹さんが福岡在住であることから実施されている。

 「マイマイ新子」は高樹さんの自叙伝で、主人公の新子は高樹さん自身がモデルとなっている。「新子ちゃんそのものは、よく言えば常に前向きで、自分がいいと思ったことは外に出さずにはいられない、自分1人で消費することが出来ない。『こんなに素晴らしいことがあるんだ』っていう時には人を巻き込んで『ねぇねぇ見て見て!』って人を巻き込んで紹介せざるを得ない。そういう体質の女の子です」と、自身の創作スタンスとも重ね合わせながらトークを進めていった。
 「たまたま私は文学の方に来ましたけれど、絵であれ、音楽であれ、ものを表現することの根本ですね。根本の衝動がないと。『私は作家になりたい』とか言ってもそれだけではなれない。その時に『この感動してる世界を人と共有したい』っていうことが一番大事なことです」。

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 それから「高度成長を遂げる一番元気のいいその時代にこういう少女がいて、麦畑の中で生活してて、家族がいて、子供も単に自分たちのコミュニティだけでなく、同学年でも同じ塾でもなく、地域のコミュニティですね、地域のコミュニティってのが今は珍しいですね」と昭和30年代と現在との違いにも触れた。
 また「今、新子ちゃんがいても、タツヨシとは必ず仲良しになるか、チャンスはあるか、というのは私は難しいと思います。まず何より親がそういうものにブレーキをかけてしまう。そういう子とは遊ばないように、という風に環境も違うし」と、作中後半でキーとなるタツヨシをピックアップした。
「戦後の10年ってのは、まだクリーンにはなってなくて、混沌とした面白さがあったと思います」。

 そして「瀬戸内の町は、小さい町が数珠つなぎになっているんです」と語り、近隣の宇部、小郡、徳山とは異なる点として門前町であることを挙げた。
 「天神様は神様、港町にはヤバイところ。子どもが歩いて行けるところに上から下まで、聖から俗まで全部あったのが防府の特徴だろうと思います」。

 最後に「もっと中高年の方の懐かしさにPRしなければならなかったかなぁ」と公開中のアニメーション映画『マイマイ新子と千年の魔法』についても述べた。それは、子供よりも上の世代の方が新子を理解し易いからという理由でもあった。「本もアニメもじっくり2、3度見て味わってくだされば」。

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 その後、サイン会も行われた。来場者の中には、防府から駆けつけた男性もいた。その男性は、以前高樹さんが住んでいた家に現在住んでいるということだった。
 『マイマイ新子と千年の魔法』は、これから上映が開始される地域もあり、まだまだ話題が続きそうだ。
また、先日急遽上映されていたラピュタ阿佐ヶ谷でも、1月9日から再度アンコール上映が決定している。
【真狩祐志】

マイマイ新子と千年の魔法 /http://www.mai-mai.jp/

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