09年ビデオソフト売上高前年比-9.7% 一般向けアニメは健闘 | アニメ!アニメ!

09年ビデオソフト売上高前年比-9.7% 一般向けアニメは健闘

 日本映像ソフト協会の発表によれば、2009年上半期のビデオソフト(DVD、Blu-Ray、UMDなど)の売上は1277億3100万円で、前年比9.7%の減少となった。前年同期比では3期連続マイナスで、年間では4期連続マイナスの可能性が高くなる厳しい結果となった。
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 日本映像ソフト協会の発表によれば、2009年上半期のビデオソフト(DVD、Blu-Ray、UMDなど)の売上は1277億3100万円で、前年比9.7%の減少となった。前年同期比では3期連続マイナスで、年間では4期連続マイナスの可能性が高くなる厳しい結果となった。
 なかでも個人向けの販売は739億900万円と前年比で17.8%減となり、パッケージソフト商品に対する昨今の厳しい環境が浮き上がっている。そしてレンタル店用の販売も、449億2900万円と7.6%の減少と、決して環境が良いわけではない。

 DVD販売のうちアニメの占める位置は依然大きい。DVD販売用の売上高のうち「日本のアニメーション(一般向け)」は、全体の30.4%を占め、昨年に引き続き占有率1位となった。同様にレンタル店用の販売でも、前年に引き続き「洋画(テレビドラマ除く)」に次ぐ、占有率2位を維持した。
 さらにBlu-Ray Discでは、売上高84億円4300万円のうち過半数、およそ55%が「日本のアニメーション(一般向け)」となっている。

 「日本のアニメーション(一般向け)」は、アニメーションのジャンルから「海外のアニメーション」、「日本の子供向け(アニメーション)」を除いたもので、アニメーションの売上全体の8割以上を占めている。一般にアニメファンと呼ばれるコア層が購入する作品から構成されている。
 売上、特に販売用に占める「日本のアニメーション(一般向け)」での高いシェアは、新世代の商品として期待されるBDが、依然アニメファンに大きく支えられていることを示している。BDの一般への普及に懸念を感じさせる状況である。

 ビデオソフト全体では減少傾向となっているビデオソフト市場だが、「日本のアニメーション(一般向け)」の販売用、つまり個人が購入する映像パッケージはDVDとBDの合算では健闘している。
 DVD販売用全体の前年比のマイナス幅が17.8%だったのに対して、「日本のアニメーション(一般向け)」の減少幅は8.8%で、売上高は224億4700万円だ。この減少幅を金額に換算すると、21億円強となる。
 一方で、急成長したBDの「日本のアニメーション(一般向け)」の売上高はおよそ46億円(うち販売用約44億円)、前年比で40億円ほどの増加だ。この金額はDVDの減少幅を上回る。つまり、販売用商品に限れば、「日本のアニメーション(一般向け)」は前年同期を上回ったことになる。

 昨年来、アニメBDの売上が急増していることはたびたび伝えられているが、こうした状況がアニメのビデオソフト売上全体にも影響したようだ。特にBDはDVDに較べて販売価格が高くなっており、これも売上高の増加に影響を与えているとみられる。
 昨今、アニメのビデオソフトの売上について厳しい話が多いが、少なくとも2009年の上半期、アニメファンのビデオソフト購買意欲は衰えていない。日本映像ソフト協会の発表は、やや意外な結果となっている。
 そして「日本のアニメーション(一般向け)」の売上のBD比率は未だ10%未満、今後さらにBDの伸長が続くのかが、アニメのビデオソフトの行方を占うことになりそうだ。

日本映像ソフト協会 /http://www.jva-net.or.jp/
《animeanime》
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