ハイビジョン(HD)のテレビ放送が急拡大する中、日本の名作アニメをHD放送向けにデジタルリマスターHDとして放送する動きが進んでいる。 アニメーション専門チャンネルのカートゥーン ネットワークは、10月1日より『リボンの騎士』と『ジャングル大帝』の2つのテレビシリーズのデジタルリマスターHD作品を放映する。いずれの作品も手塚治虫さん原作、虫プロダクション制作で、日本テレビアニメの初期の代表作である。 この2作品のHD版がテレビ放映されるのはもちろん国内ではじめて、手塚治虫生誕80周年にあたる2009年に新たな美しい映像で視聴者に届けられる。 放映時間は毎週月曜日から金曜日までの16時から17時、同23時から24時の1時間づつとなる。それぞれの時間で前半を『リボンの騎士』、後半を『ジャングル大帝』とする。 今年フジテレビでリメイク作品が放映開始された『ジャングル大帝』は、1965年から1966年にかけて製作された国産初のフルカラーのテレビアニメシリーズとして知られている。 その後も原作はたびたびアニメ化されたが、この1965年版の人気は特に高い。敢えて原色を強調し、表現主義的に描かれた背景など、映像表現の美しさ、新しさが魅力的になっている。 一方、『リボンの騎士』も製作は1967年と今から40年以上も前になる。こちらも国産フルカラーアニメの初期の代表作である。現在も広く世界でテレビ放映が行われている。 カートゥーン ネットワークによれば今回の放映は、ニュープリント、ニューマスターとして制作されたものだ。カットごとに丁寧な監修を行い、これまでにないクオリティを実現した。 HD放送でテレビアニメのデジタルリマスターHD作品を放送するのは、先日、キッズステーションが『フランダースの犬』、『未来少年コナン』、『あらいぐまラスカル』の発表をしたばかりである。カートゥーン ネットワークは、今後も日本の名作アニメの数々をデジタルリマスターHD作品として放送する予定としており、こうした動きはさらに広まりそうだ。 名作アニメのデジタルリマスターHDでの放映は、かなりの年月を経た作品をオリジナルに近いきれいな映像で送るという今日的な意義がある。一方で、HD放送が始まったものの、それで放送出来るコンテンツが圧倒的に不足しているという現状も反映しているかもしれない。 HD作品を新たに製作するよりも、旧作のデジタルリマスターによるHD化ほうが放送局にとっては、手掛けやすい。また、映像的な驚きも視聴者に与えやすいと言えるからだ。カートゥーン ネットワーク /http://www.cartoon.co.jp/当サイトの関連記事/キッズステーション「未来少年コナン」などHDでテレビ放映
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