1988年にディレクターのヨルゲン・レルダム氏ら4名の若者が創立したA.Filmは、コペンハーゲンの本社だけでなく、ドイツ、エストニアなどにスタジオを持つ。2000年の初長編『Hjælp! jeg er en fisk/Help! I'm a Fish』で国際合作をおこない、04年の『Terkel i knibe/Terkel in Trouble』は興行的に成功した。 今年のアヌシー国際アニメーション・フェスティバルにも、/『Rejsen til Saturn/Journey to Saturn』をアウトオブコンペに出品した。今では、フランスやドイツの合作パートナーとなり、北欧の中心的なスタジオだ。まさに、国際共同制作のハブだ。
デンマーク人は、人なつっこいと言われる。そして英語が達者だ。テレビや映画に吹き替えはなく、日常的に英語を耳にする。小国であることをハンディとせず、世界市場に出るアドバンテージにしている。 映画やアニメでは、Danish Film Institute(デンマーク映画協会)などを通じた制作助成金など支援制度を整え、行政も国際進出をバックアップする。ヒトの移動が自由化するEU(ヨーロッパ共同体)内にあって、デンマークには優秀な人材を、外国から呼び寄せる仕掛けがある。