IGポート通期決算増収減益 出版事業回復も業績予想を下回る | アニメ!アニメ!

IGポート通期決算増収減益 出版事業回復も業績予想を下回る

 アニメ製作会社のプロダクション I.Gやジーベック、マンガ出版社マッグガーデンを統括するIGポートが、7月10日に平成21年5月期の通期決算を発表した。
 売上高は71億800万円と前年比で7.1%の増加となったが、営業利益は1億4700万円(同65.8%減)、経常利益は1億280

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 アニメ製作会社のプロダクション I.Gやジーベック、マンガ出版社マッグガーデンを統括するIGポートが、7月10日に平成21年5月期の通期決算を発表した。
 売上高は71億800万円と前年比で7.1%の増加となったが、営業利益は1億4700万円(同65.8%減)、経常利益は1億2800万円(同72.4%減)、当期純利益は2200万円(同88.6%減)と利益面での落ち込みが目立った。またこの数字は、昨年7月15日に発表した連結業績予想を下回った。

 IGポートは業績予想との差異について、売上高に関しては第4四半期に見込んでいた4月放映開始のテレビアニメ制作が1シリーズ中止となったことと、大型劇場作品の海外販売による収益分配が来期になったことを挙げている。この劇場作品は『スカイ・クロラ』とみられる。また出版事業のマンガ単行本の刊行点数の減少を指摘している。
 利益については、4月放映開始のテレビアニメの初期話数の売上総利益が減少したことと、版権事業での利益率の高い収益分配が計画よりも遅れたとする。

 同社の平成21年5月期の映像制作事業は売上高が伸びているのに対して、収益が減少している。アニメ制作の利益率が全体に低下していることを伺わせるものだ。
 その映像制作事業でIGポートは、前期劇場アニメ3作品、テレビアニメ10作品、OVA5作品、実写テレビドラマ1作品などを手掛けた。映像制作事業の売上高は、48億8800万円(前年同期比2.9%増)、営業利益は3億100万円(同32.2%減)である。

 一方、版権事業は、『スカイ・クロラ』、『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズ、『ARIA』シリーズ、『新世紀エヴァンゲリオン』、『テニスの王子様』シリーズの二次利用の収益分配が中心となっている。人気の高い旧作が中心となった。売上高は6億9700万円(前年同期比4.2%減)、営業利益は3800万円(同79.7%減)である。
 出版事業は、マンガ誌月刊コミックブレイド、月刊コミックブレイドアヴァルスを刊行したほか、マンガ単行本を113点発売した。売上高は14億4600万円(同32.2%増)、営業利益は1億5600万円(同11.0%増)と、売上高、営業利益とも増加した。マンガ出版子会社のマッグガーデンの業績が回復基調にあることが分かる。

 今期、平成22年5月期の見通しについてIGポートは、アニメ・マンガ業界には引き続き厳しい状況が続くと予想する。そうした中で売上高を前期より少ない63億7900万円、経常利益8800万円、当期純利益6900万円と見込む。

 特に映像制作事業の売上高が慎重になっており、アニメ業界でテレビアニメ制作本数が減っていることなどの、業界の状況を反映させたものとみられる。今期は、劇場映画4作品のほか引き続きテレビアニメシリーズやゲーム・CM用の映像制作を行う。
 また版権事業では、8月公開の劇場映画『ホッタラケの島 -遥と魔法の鏡-』、テレビアニメ『戦国BASARA』、『東のエデン』、OVA『To LOVEる』等の版権収入を見込む。 

IGポート /http://www.igport.co.jp/
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