今年1月に報じられたVIZメディアによる北米での日本SF専門出版レーベルが、いよいよこの7月にスタートする。北米のマンガ出版社VIZメディアが、その第1弾となる『All You Need Is Kill』(桜坂洋著)と『時砂の王』(小川一水著)のリリースを発表した。 このレーベルは「ハイカソル:HAIKASORU」と名付けられ、日本の優れたSF小説を翻訳して北米のファンに届けることを目的としている。これまでほとんど翻訳出版されることのなかった日本の本格SF小説を英語で紹介する突破口とする。 出版は既に今年9月の第2弾『太陽の簒奪者』(野尻抱介著)と『ZOO』(乙一著)も決まっている。その後も日本の様々作家の作品を紹介して行くとしている。しかし、予想されるマーケットは小規模なため、マンガ出版とは異なり比較的緩やかなペースで刊行されるとみられる。 VIZメディアは、ハイカソル公式サイトも立ち上げている。そこではあらすじや作者の紹介、さらに本編の抜粋などで細かく作品を紹介し、ブログでも作品に関する情報を提供している。かなり力が入っている様子が伺える。 VIZメディアによれば、レーベル名のハイカソルは、英語の「Hight Castle」の日本語読みを引用したものだ。そして、「Hight Castle」の言葉は、日本のSF作家やSFファンに大きな影響を与えた米国のSF作家フリィップ・K・ディックの代表作『高い城の男』に由来する。 こうしたタイトルからも、ハイカソルの目指すところが伺える。各巻の定価は13.99ドル、比較的手頃な価格となっている。日本マンガの翻訳出版で大きな成功を収めたVIZメディアの新たな挑戦が注目される。「ハイカソル:HAIKASORU」公式サイト /http://www.haikasoru.com/当サイトの関連記事/米国で日本SFの翻訳出版専門レーベルスタート野尻抱介や乙一ら
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