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今回単行本とセットになった作品は、水島努監督とプロダクション I.Gの制作による完全新作のオリジナルアニメのDVD『×××HOLiC 春夢記』の後編である。
「アヤカシ」が見える高校生四月一日君尋と、何でも願いを叶える「ミセ」の店主・壱原侑子。侑子はその体質を直す対価として、四月一日を「ミセ」でアルバイトをさせる。その中で起こる様々な怪異な事件を中心に展開するのが『×××HOLiC』だ。
今回の『春夢記』後編では前編に続いて、およそ25分で物語の顛末を描く。商品は『×××HOLiC』15巻(通常版)にDVD『×××HOLiC 春夢記』後編を加えて、税込み3700円となる。 水島努監督に、脚本はCLAMPの大川七瀬さん、キャラクターデザインに黄瀬和哉さんと豪華実力派スタッフも魅力となっている。
今回の『×××HOLiC』15巻と『×××HOLiC 春夢記』後編は、『ツバサ』26巻、27巻、『×××HOLiC』14巻、15巻と続く、講談社が展開するCLAMP作品のOADシリーズ企画である。今回の『春夢記』後編が、一連の企画の最終巻なる。
ところがこの6月23日に、あらたに『×××HOLiC』16巻にも、今回のOADの続編が付くことが発表された。監督は『春夢記』に続き水島努さん、アニメ制作もプロダクション I.Gと前作を引き継ぐの楽しみだ。
早くも決定したCLAMPのOAD新企画は、講談社が手がけるこのシリーズが高い人気を博し、ビジネス的にも好調であることを伺わせる。
現在多く見かけるようになったマンガ単行本の新刊とオリジナルアニメDVDを組み合わせる試みは、実は2007年の『ツバサ TOKYO REVELATIONS』が火付け役だ。常に時代の最先端を目指すCLAMPの挑戦が、今後も続きそうだ。
画像: (C)CLAMP/講談社
公式サイト /http://kc.kodansha.co.jp/tsubaholi/
『×××HOLiC 春夢記』《後編》アフレコ終了メッセージ
水島努監督
「テンションの高い四月一日、マイペースの百目鬼、前よりちょっと明るくなったひまわり、ミステリアスだけど意外な表情を見せてくれた侑子、いつものモコナ、と、アニメが始まってからずっと変わらぬ世界観と、意表をつく新たな展開が、程よくミックスされたOAD版が完成しました。
じっくりと堪能してくださいませ。個人的には、発売時の季節は違うけれども、秋の夜長にひとりでみるのが心地良いかも、と思ってみたり」
四月一日君尋役 福山潤さん
「自分にできることは全て四月一日にたくしました。
収録は終わるのが惜しいくらい楽しく、台詞一つ一つに愛を禁じえない思いでいっぱいでした。
内容は見てのお楽しみ!!」
壱原侑子役 大原さやかさん
「ついに後編!慣れ親しんでいる世界なはずなのに、これが最後かとおもうと、心に凛とした不思議な緊張感がうまれます。ひとつひとつのシーンがとても愛おしく感じました。
実はラストの台詞、2パターン収録したんです。アフレコの段階ではどちらを使うかまだ決まっていなかったので、私も見るのを楽しみにしています」
百目鬼静(遙)役 中井和哉さん
「台本の半分過ぎたあたりから、「あ、あともう少しで終わってしまう…」という気持ちになりました。百目鬼を演じさせてもらうのは僕にとって特別なことで、別れ難さもひとしおなんです。これが最後じゃないと信じたいけど、いつもの掛け合い、いつものボケにいつものツッコミが一つ一つとても貴重に思えて、油断するといい歳して泣きそうでした」