現地時間の2月22日、アメリカ・ロサンゼルスのコダックシアターで、第81回アカデミー賞の各受賞作品が発表された。短編アニメーション部門にノミネートされていた加藤久仁生氏の『つみきのいえ』が、見事オスカーを獲得した。 アカデミー賞において日本の受賞は、2003年の第75回に長編アニメーション部門で受賞した宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』以来となる。 短編アニメーション部門での日本の受賞は加藤氏が初めてだ。ノミネートされていた5作品の傾向としては、『つみきのいえ』と『Lavatory - Lovestory』が2D、『Oktapodi』、『Presto』、『This Way Up』が3Dである。 また、『つみきのいえ』が昨年のアヌシー国際アニメーションフェスティバルでグランプリ「クリスタル賞」を受賞している以外にも、『Oktapodi』がSIGGRAPH 2008のコンピュータ・アニメーション・フェスティバルで最優秀賞であったり、『Presto』が短編アニメーション部門での受賞歴が多いピクサーの作品であるなど、いずれも強力な作品が揃っていた。 しかし、加藤氏の『つみきのいえ』以外はコメディが主体であった。選考過程で作品の内容に関して優位に働いた点もあるのかも知れない。 加藤氏が所属する映像制作会社のROBOTでは、昨年末よりTOHOシネマズと共同で映画本編の幕間に短編作品を上映するプロジェクト「Gift Movie」を開始している。 この『つみきのいえ』も「Gift Movie」の開始を前提として制作された作品ではあるが、この受賞もプロジェクトに大きく弾みをつけることになるだろう。 今回の受賞にあたって加藤氏は「この度は、オスカーというとても大きな賞を受け取ることができ、本当にうれしく思っています。とにかくがんばってくれた制作スタッフのみんなと作品に関係してくれたすべての方々に感謝します。早く日本に帰って、みんなと喜びを分かち合いたいと思います。」とコメントしている。【真狩祐志】つみきのいえ /http://www.robot.co.jp/tsumiki/加藤久仁生 /http://kiteretsu.robot.co.jp/kunio/米国アカデミー賞 /http://www.oscars.org/当サイトの関連記事/アカデミー賞 短編アニメーション賞に加藤久仁生さんノミネート
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