アニー賞 カンフーパンダが圧勝TV部門にアバターやロボット・チキン | アニメ!アニメ!

アニー賞 カンフーパンダが圧勝TV部門にアバターやロボット・チキン

 1月30日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のロイスホールで、第36回アニー賞の発表と授賞式が行われた。アニー賞は国際アニメーション協会ハリウッド支部が選ぶアニメーションに特化したアワードである。
 アニメーションの専門家が選ぶアニメーション賞として注目

ニュース
注目記事
 1月30日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のロイスホールで、第36回アニー賞の発表と授賞式が行われた。アニー賞は国際アニメーション協会ハリウッド支部が選ぶアニメーションに特化したアワードである。
 アニメーションの専門家が選ぶアニメーション賞として注目が高い。アニメーションのアカデミー賞とも呼ばれ、毎年、その結果に大きな注目が集まる。

 そうした注目の中で発表された2009年(2008年1月~12月)の受賞作品、受賞者は、事前の予想を覆し、ドリームワークス・アニメーションが製作した『カンフー・パンダ』が圧勝した。最優秀アニメーション映画賞を初めとする映画関連8部門を独占したほか、最優秀アニメーションゲームソフト賞、アニメーション効果賞も受賞した。
 さらにTV・短編部門では、DVD・BDに収録されたスピンオフの短編『マスターファイブのカンフー・レッスン』が2部門を受賞するなど、『カンフー・パンダ』で埋め尽くされた。ドリームワークスと『カンフー・パンダ』の圧勝と言っていいだろう。

 一方、2008年を対象とした映画賞で独走を続ける『ウォーリー』は1部門も受賞出来ず、ウォルト・ディズニー全体でも、受賞はTV・短編部門ストーリーボード賞のクリス・ウィリアムス氏『Glago’s Guest』のみという寂しさである。
 そのほかの大手スタジオであるユニバーサル、20世紀フォックス、ソニー・ピクチャーズの名前は、ノミネートの段階でほとんどみられず、昨年まで続いていたメジャースタジオによる大作フル3DCGアニメーションブームが過ぎ去ったことを感じさせる。

 今回は『カンフー・パンダ』の圧勝というよりも、他の映画賞でアニメーション賞を独占する『ウォーリー』が、どうしてこうもアニー賞に嫌われてしまったのかが驚きである。 
 これは審査員の構成による違いが影響しているのかもしれない。多くの映画賞は映画の専門家、批評家、ジャーナリストが選考するのに対し、アニー賞はアニメーションの専門家、現場スタップ、アニメーターやクリエイターが投票を行なう。より制作の現場に近い人達が、『ウォーリー』よりも『カンフー・パンダ』を選ぶ特別な理由があったに違いない。
 アカデミー賞の前哨戦ともされるアニー賞だが、今回は他の映画賞との評価の違いが大きく、アカデミー賞の結果に影響を与えるかどうかは未知数だ。

 映画部門以外では、最優秀ホームエンタテインメントアニメーション賞を『フューチュラマ: The Beast with a Billion Back』、最優秀短編アニメーション賞ではアードマン・スタジオの最新作『ウォレスとグルミット A Matter of Loaf and Death 』、最優秀テレビアニメーション賞ではスター・ウォーズシリーズのスピンオフ『ロボット・チキン: スター・ウォーズ エピソードⅡ』、最優秀テレビアニメーション賞(児童作品)は『アバター 伝説の少年アン』がそれぞれ受賞した。日本でもテレビ放映されている『アバター 伝説の少年アン』は監督賞も獲得した。
 『ロボット・チキン』は声優賞と脚本賞を受賞し、ストップモーションのテレビアニメーションという珍しい表現ながら存在感の大きさをみせつけた。これは同じく『スター・ウォーズ』シリーズからスピンオフしたフル3DCG版の『クローン・ウォーズ』が、ノミネートの段階から映画部門、TV・短編部門で黙殺されたのと対照的な結果である。

アニー賞 公式サイト /http://annieawards.org/

■ 最優秀アニメーション映画賞 
   『カンフー・パンダ』 ドリームワークス・アニメーション

■ 最優秀ホームエンタテインメントアニメーション賞
   『フューチュラマ: The Beast with a Billion Back』
   キャリオスティ・カンパニー/20世紀フォックス

■ 最優秀短編アニメーション賞 
   『ウォレスとグルミット A Matter of Loaf and Death 』
   アードマン・スタジオ

■ 最優秀テレビアニメーション賞 
   『ロボット・チキン: スター・ウォーズ エピソードⅡ 』 シャドウマシン

■ 最優秀テレビアニメーション賞(児童作品)
   『アバター 伝説の少年アン』 ニコロデオン

■ 最優秀アニメーションゲームソフト賞 
   『カンフー・パンダ』 アクティビジョン

■ アニメーション効果賞 
   リ・メイ-ローレンス・リー
   『カンフー・パンダ』 ドリームワークス・アニメーション

■ キャラクターアニメーション賞(映画部門)
   ジェームズ・バクスター
   『カンフー・パンダ』 ドリームワークス・アニメーション

■ 監督賞(映画部門)
   ジョン・スティーヴンソン、マーク・オズボーン
   『カンフー・パンダ』 ドリームワークス・アニメーション

■ 音楽賞(映画部門)
   ハンス・ジマー、ジョン・パウウェル
   『カンフー・パンダ』  ドリームワークス・アニメーション

■ プロダクション・デザイン賞(映画部門)
   Tang Heng
   『カンフー・パンダ』  ドリームワークス・アニメーション

■ ストーリーボード賞(映画部門)
   ジェン・ヤー・ネルソン
   『カンフー・パンダ』  ドリームワークス・アニメーション

■ 声優賞(映画部門)
   ダスティン・ホフマン(シーフー役)
   『カンフー・パンダ』  ドリームワークス・アニメーション

■ 脚本賞(映画部門)
   ジョナサン・エイベル、グレン・バーガー
   『カンフー・パンダ』  ドリームワークス・アニメーション

■ キャラクターアニメーション賞(TV・短編部門)
   Pierre Perifel
   『マスターファイブのカンフー・レッスン』 (『カンフー・パンダ』より)
   ドリームワークス・アニメーション

■ 監督賞(TV・短編部門)
   Joaquim Dos Santos  
   『アバター 伝説の少年アン: Sozin’s Comet Pt. 3』 ニコロデオン

■ 音楽賞(TV・短編部門)
   ヘンリー・ジャックマン、ハンス・ジマー、ジョン・パウウェル
   『マスターファイブのカンフー・レッスン』 (『カンフー・パンダ』より)
   ドリームワークス・アニメーション

■ ストーリーボード賞(TV・短編部門)
   クリス・ウィリアムス
   『Glago’s Guest』 ウォルト・ディズニー アニメーションスタジオ

■ 声優賞(TV・短編部門)
   アーメド・ベスト (ジャージャービンクス役)
   『ロボット・チキン: スター・ウォーズ エピソードII』 シャドウマシン

■ 脚本賞(TV・短編部門)
Tom Root、Douglas Goldstein、Hugh Davidson、Mike Fasolo、Seth Green、Dan Milano、Matthew enreich、Kevin Shinick、Zeb Wells、Breckin Meyer
   『ロボット・チキン: スターウォーズ エピソードII』 シャドウマシン
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

特集