日本のアニメやマンガの人気が拡大している米国で、日本のSFの翻訳出版を専門に行なうレーベルがこの夏スタートする。出版を行なうのは北米で日本マンガの翻訳出版最大手のVIZメディアである。 VIZメディアは小学館、集英社、白泉社のマンガの翻訳出版で、米国で大きな成功を収めている。現在はアニメ、実写映画など、その取り扱い分野を日本の様々なポップカルチャーに拡大している。 そのVIZメディアが、今回新たに取り上げるのが、日本のSF小説である。日本の小説は村上春樹や吉本ばなななどの一部の小説は海外では人気が高い。しかし、SFやミステリー、ファンタジーといったエンタテインメント小説は、これまで米国であまり紹介されたことがなかった。 ポップカルチャーの分野で大きな成功をしたVIZメディアだが、これまでアニメのノベライズドやライトノベルの翻訳出版は行なってきたが、小説自体を主体に売り出すことはなかった。今回はこれまでの経験を小説分野にも活かす。 もともとVIZメディアの親会社は日本の出版社小学館、集英社などであるから、SF小説を突破口にマンガだけでなく、一般書籍の米国進出を進めたいという思惑もありそうだ。 作品は「Haikasoru」と名付けられたレーベルで、今年夏からスタートする。スタート当初は4作品、小川一水さんの『時砂の王』、桜坂洋さんの『All You Need Is Kill』、乙一さんの『ZOO』、野尻抱介さんの『太陽の簒奪者』が発売される。その後は、年12冊のペースで刊行を続ける。 野尻抱介さんは星雲賞5回受賞の実力派だがまだ40代、他の3人はいずれも1970年代生まれとさらに若い。今回はこれまで海外ではあまり知られていない、日本の若い世代のSF小説に特化したレーベルとなる。 VIZメディア /http://www.viz.com/
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