第39回星雲賞長編部門 図書館戦争 電脳コイル、20世紀少年も受賞 | アニメ!アニメ!

第39回星雲賞長編部門 図書館戦争 電脳コイル、20世紀少年も受賞

 8月23日、24日に大阪・岸和田市で開催された第47回日本SF大会「DAICON7」で、昨年の優れたSF作品を選出する第39回星雲賞受賞作品が発表された。
 星雲賞は日本SF大会の参加者の投票により決定するもので、SFファンが最も優れていると認めた作品が選ばれる。SF関係者

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 8月23日、24日に大阪・岸和田市で開催された第47回日本SF大会「DAICON7」で、昨年の優れたSF作品を選出する第39回星雲賞受賞作品が発表された。
 星雲賞は日本SF大会の参加者の投票により決定するもので、SFファンが最も優れていると認めた作品が選ばれる。SF関係者に最も知られた賞のひとつである。

 なかでも最も注目される日本長編部門は、有川浩さんの『図書館戦争』シリーズが選ばれた。全4巻からなるシリーズで、近未来の日本を舞台に本を検閲から守る武装組織「図書隊」とその隊員の恋の行方を描いた。作品はこの春にテレビアニメ化され、フジテレビのノイタミナ枠で放映された。
 日本短編部門は野尻抱介氏の『沈黙のフライバイ』、野尻氏は昨年の『大風呂敷と蜘蛛の糸』に続く2年連続、3度目の受賞である。
 
 映像作品、演劇作品が対象となるメディア部門は、緻密な物語構成と丁寧な作画が評判を呼んだ磯光雄監督の『電脳コイル』が受賞した。
 メディア部門には全部で7つの参考作品が挙げられていたが、うち5作品が『天元突破グレンラガン』、『Darker than BLACK-黒の契約者-』、『大江戸ロケット』、『魔法少女リリカルなのはStrikerS』とアニメ作品であった。『電脳コイル』はこうした作品や『トランスフォーマー』を下しての受賞となる。
 同部門でのアニメ作品受賞は、昨年の『時をかける少女』(細田守監督)に続いて2年連続である。両作品ともアニメスタジオ マッドハウスの制作によるものだ。また、テレビアニメの受賞は2005年の『プラネテス』以来で、これまでの受賞作でも2000年の『カウボーイビバップ』など3作品しかない。
 
 さらにコミック部門は昨年遂に完結した浦沢直樹氏、長崎尚志氏の『21世紀少年』(『20世紀少年』)である。大作シリーズの終了という話題性に加えて、この夏3部作製作費60億円という大作映画『20世紀少年』の第1部が公開されることも受賞に影響したかもしれない。
 他の参考作品もやはり、物語の完結が話題となった高屋奈月氏の『フルーツバスケット』や藤田和日郎氏『邪眼は月輪に飛ぶ』、樹なつみ氏『デーモン聖典』などである。
 また自由部門では、人工音声ボーカロイドを音楽、歌唱、キャラクターも交えながらエンタテイメントに昇華させた『初音ミク』が選ばれている。

日本SFファングループ連合会議 /http://www.sf-fan.gr.jp/
第47回日本SF大会「DAICON7」公式サイト /http://www.daicon7.jp/jp/

【第39回星雲賞受賞作品】
日本長篇部門: 『図書館戦争』シリーズ (有川浩)
日本短篇部門: 『沈黙のフライバイ』 (野尻抱介)
海外長篇部門: 『輝くもの天より墜ち』 (ジェイムズ・ティプトリー・Jr.)
海外短篇部門: 『ウェザー』 (アレステア・レナルズ)
メディア部門: 『電脳コイル』 (磯光雄監督/電脳コイル製作委員会)
コミック部門: 『20世紀少年』、『21世紀少年』 (浦沢直樹・長崎尚志)
アート部門: 加藤直之
ノンフィクション部門: 『星新一 一〇〇一話をつくった人』 (最相葉月)
自由部門: 初音ミク (クリプトン・フューチャーメディア)
特別賞: 野田宏一郎(野田昌宏)
《animeanime》
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