この技術はIPA(情報処理推進機構)の「未踏ソフトウェア創造事業」の支援を受けて開発された。開発者でサイバーノイズの代表取締役でもある中城哲也氏は、この開発成果により「天才プログラマ/スーパークリエータ」として認定されている。

2Dのイラストの中には、立体的な正しさを持っていない表現をしているものがある。そのため、それを3DCGに起こした場合、違和感が生じるという弱点がある。
「Live2D」では2D映像を拡張して描く技術を使い、モデルデータを生成する。その後、Flashのようにタイムラインを使ってオーサリングをすることができる。これにより原作のテイストを残したまま、イラストを描く感覚で立体的な表現を生み出すことが可能になる。
また「Live2D」では、3DCGよりはるかに少ない容量で動きのある画を作れるのが特徴である。また、「MugenViewer」という技術を使うことで、どこまで拡大しても滑らかな画を保つことができる。
さらに、MP3の音声に合わせてリアルタイムでリップシンクする機能も備えており、個人制作でアニメを作ることもできる。
これまで、個人制作のアニメは3DCGかFlashで作られることが多かったが、3DCGはまだまだ敷居が高い。Flashの場合は、動かせる領域が狭く、演出の面でなかなか思うような映像が作れないという弱点があった。
この技術を使うと、今までより圧倒的に少ない作業量で、より豊かな表現をすることができる。さらに個人ベースで普及すれば、かつてのセルを使ったアニメから、CGアニメへ進化したように制作者の裾野が広がり、アニメ表現に大きなイノベーションをもたらすだろう。
サイバーノイズ社は、「Flashアニメーション作成ツール」、「本格アニメーション作成ツール」、動きのある「マンガ作成ツール」を2008年内にリリースする予定である。
このほか同社ではこの技術を使ったいくつかの応用例を紹介している。その一つは、動きのあるアバターである。
動きのあるアバターはこれまでにも存在したが、目や口がパチパチする程度の動きであった。「アバター作成ツール」を使うことで、豊かな表情を持った動くアバターを作ることが可能になる。オンラインゲームやwebポータル、SNSサービスでの活用が見込まれる。
現在、サイバーノイズでは開発スタッフを募集しているほか、Live2Dのモデルとなる人物やキャラクターを募集中している。
(c) 2007 Cybernoids Co.,Ltd.
Live2D /http://www.live2d.jp/
サイバーノイズ /http://www.cybernoids.com/