日本貿易振興機構(JETRO)が、スペイン市場での日本のエンタテイメントコンテンツの状況を調査した「スペインにおける日本のテレビアニメ・マンガ・映画市場の実態」をウェブサイトで公開している。 これはJETROが継続的に行っているもので、これまでヨーロッパ地域ではフランス、イタリア、ドイツ、さらに中欧地域についても同種の調査を行っている。スペインは日本のアニメ・マンガの人気では、仏独伊と並ぶヨーロッパ有数の国とされるからこうした調査は待ち望まれたものだと言える。 実際にレポートは、アニメとマンガ産業と市場が中心になっている。また、テレビ放映の状況と販売の仕組み、DVDやマンガの出版・流通、さらに劇場公開など、特にコンテンツの販売とその流通方法に力点が置かれている。 輸出振興を目的とするJETROの特徴を生かしたものである。アニメやマンガ、映画のビジネスに携わる人にとっては、かなり利用価値の高いものに違いない。 今回のレポートで特に印象深いのは、日本アニメのテレビ放送の多さ、そして、他のヨーロッパ諸国ではあまりに人気がない『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』といった作品のスペインでの人気である。 これは、ヨーロッパ各国をEUとしてひとつの市場に括ることの難しさを示している。実際にレポートでは、アニメ、マンガ両方について、EU規模の多国籍企業ですら、作品の買付けは現地法人独自の判断をしていると報告している。 また、レポートのなかには、アニメの配給権の価格が、1話500ユーロから5000ユーロ程度、通常は3000ユーロ程度(約50万円)、あるいはロイヤリティは20%から25%程度といった具体的な数字が数多く盛り込まれているのも特徴である。 実際に数字を知ることで、スペインにおけるアニメやマンガ市場の規模感が掴めるからである。一方で、こうした数字の多くは、スペインでの日本のアニメやマンガの人気と同時に、それが市場規模がさほど大きくないことを示している。 これには現地での日本のコンテンツ市場開拓の余地を感じさせると同時に、人口4000万人強というスペインの国のそもそもの市場規模を思い起こさせる。事業を進めるにはスペイン単独でなく、EU市場全体での利益が求められるが、各国別に交渉や事務作業が発生する。 ビジネスにあたってのEU諸国の難しさは、交渉や事務作業が国内や米国に較べて煩雑になることもひとつだろう。今回のレポートの内容からは、そうしたEU市場全体で共通の問題も見えてくるものである。日本貿易振興機構(JETRO) /http://www.jetro.go.jp//「スペインにおける日本のテレビアニメ・マンガ・映画市場の実態」
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