政府が推進する知的財産戦略本部は、12月4日にコンテンツ・日本ブランド専門調査会コンテンツ企画ワーキンググループ(第3回)を開催した。 今回の会合のテーマは「優れたコンテンツの創造と海外展開について」で、主に日本のコンテンツ産業の海外進出が議題となった。 また今回は、日本のコンテンツの海外輸出の主要コンテンツであるアニメにふれる部分が大きかった。ワーキンググループには、参考人ヒアリングとして社団法人日本音楽事業者協会の尾木徹会長とアニメ制作会社GONZOを傘下にもつGDHの石川真一郎社長が招かれている。 石川氏はこのなかでアニメとオンラインゲームを中心に、海外における日本エンタテインメントの状況とそのなかでの海外戦略を説明している。さらに、ワーキンググループの委員である東京アニメセンターの久保雅一氏が、コンテンツ制作の環境整備の提案を行った。 同様に東京大学大学院の浜野保樹教授も、海外市場に対する取り組みについて海外市場のデータ整備や海外の人材を日本に引き込むことの重要性、教育目的のフェアユースの拡大などの提案を行っている。 こうした発言は必ずしもアニメだけに限ったものではないが、3氏のバックグランウンドを考えれば、アニメの占める割合は少なくないと考えていいだろう。 2000年過ぎに始まった行政のアニメ産業の関心は、その後、マンガやゲーム、映画、小説、音楽、テレビドラマなど幅広い分野に拡散していった。そうした中でアニメ産業に対する関心は相対的に縮小していた。 しかし、現状、海外で多少なりとも影響力のある日本のエンタテイメントコンテンツは、アニメやマンガ、ゲームに絞られている。これは今回、石川真一郎GDH社長の発言にもある。だからこそ強い分野をさらに強くするといった視点は、もう一度必要になってきている。 特に強いとされているアニメやゲーム、マンガについてさえ、様々な問題や障害がある。そのため現状は海外ビジネスにおいて十分な成果を出していない。アニメやゲーム、マンガの3分野の海外ビジネス環境の整備とその議論は、いま最も必要されているもののひとつと言えるだろう。知的財産戦略本部 /http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/当サイトの関連記事/東京アニメセンター コンテンツ専門ウィキペディア等を提案/知的財産戦略本部でのGDH石川社長の海外戦略について