第3回吉祥寺アニメーション映画祭 受賞作品発表 | アニメ!アニメ!

第3回吉祥寺アニメーション映画祭 受賞作品発表

 10月13日、武蔵野商工会館4階のゼロワンホールにて第3回吉祥寺アニメーション映画祭が開催され、各賞が発表された。

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 10月13日、武蔵野商工会館4階のゼロワンホールにて第3回吉祥寺アニメーション映画祭が開催され、各賞が発表された。

 作品の応募総数は昨年とほぼ同じく40数件と横這いであり競争率は高くない。しかし、確実に質が高くなって来ているのを実感出来る。2D、3D、コマ撮りを含めてアートからエンタメまで、半数が他のコンテストでも見かける作品がノミネートされている一方で、新設した一発ギャグアニメ部門で早速成果が現れていた。
 この作品の多様ぶりが結果的に当映画祭の認知度の増大を如実に示しているとも言えるだろう。

 グランプリは加藤隆氏の『The Clockwork City』となった。審査員の1人である編集家の竹熊健太郎氏は「話はありがちだが圧倒的なグラフィックと世界観で見せ切った」点が高評価となったと語った。この作品は加藤氏の今年の東京藝術大学大学院の卒業制作作品で、多摩美術大学の学部生時代に制作した同名の作品を9分から24分に尺を伸ばして完成させている。
 ノミネートとなっている同じ加藤隆氏の『around』は賞の既得数を着実に増やしつつある。しかし、『The Clockwork City』に関しては今後お目にかかる機会はさほど多くないだろう。アニメーションのコンテストの多くは15分以下である点も作用している。これまでの作品露出は卒業制作展とICAF2007くらいであった。

 また同じく竹熊氏によると、一発ギャグアニメ部門についてはパソコンを持っておらず、制作過程が全てアナログでデジタルエンコードを知人に頼んだ程である伊勢田勝行氏の『恋戦士ラブコメッサー』を推すかどうかが焦点となったとした。
 最終的には一般部門とのノミネートになっていた青木純氏の『将棋アワー』となっている。

 各審査員の審査講評の中で、アニメーション史研究家の津堅信之氏が「制作に当たって何故その楽曲を使用したのか」について言及した。
 例えば半崎信朗氏の『Birthday』も卒業制作展の頃と、田辺富士男氏の『ふりっじす』も昨年の第18回CGアニメコンテストで上映したバージョンと異なっており新鮮である。使用する楽曲でもテンポや間が変化するため、審査の際にも自ずと影響してくるのは確かである。

 昨年の受賞作品は7月に劇場ロードショー公開された『Genius Party』のエンドロールで埋め込み上映されている。今年の受賞作品も来年の『Genius Party2』に同様に埋め込み上映が予定されている。
【真狩祐志】

第3回吉祥寺アニメーション映画祭受賞作品一覧

【一般部門】

グランプリ
『The Clockwork City』 加藤隆

優秀賞
『吉野の姫』 丸山薫

審査員特別賞
『The Dream in the dream』 杉殿育恵
『PRESENT』 翠緯泰

STUDIO4℃賞
『Birthday』 半崎信朗

コアミックス賞
『かにねずみ』 藤原智樹

一発ギャグアニメ部門グランプリ
『将棋アワー』 青木純

【一般部門ノミネート作品】

『雲の人雨の人』 上甲トモヨシ
『GRAFFITI』 三浦祐貴
『ふりっじす』 田辺富士男
『around』 加藤隆
『LOST UTOPIA』 水江未来
『いくえみの残像』 横田将士
『"種の町"行進』 TAKORASU
『ネコの人とウマの人』 永迫志乃
『それ、いいね!』 グループD
『将棋アワー』 青木純

【一発ギャグアニメ部門ノミネート作品】

『インド恋の詩』 くろやなぎてっぺい
『「バイトdeアニメ自由人」ヒーローショウ編』 新海岳人+くろやなぎてっぺい
『ばあちゃん』 岡本将徳
『もしも世界妄想委員会』 もしも世界妄想委員会
『恋戦士ラブコメッサー』 伊勢田勝行
『最悪テロのあとで』 宮田久満
『青木生命保険CM』 青木純

第三回吉祥寺アニメーション映画祭結果発表
/http://www.kichifes.jp/animation/news.html

吉祥寺アニメーション映画祭
/http://www.kichifes.jp/animation/

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