2007年キイル賞 マンガ・コミックスのストーリー創作方法 受賞(9/15) | アニメ!アニメ!

2007年キイル賞 マンガ・コミックスのストーリー創作方法 受賞(9/15)

 出版書籍に対して与えられる北米の2007年キイル賞(The 2007 Quill Award)のグラフィックノベル部門の受賞作品に『コミックスを生み出す:コミックスとマンガ、グラフィックノベルの物語の秘密:Making Comics: Storytelling Secrets of Comics, Manga and Graphic N

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 出版書籍に対して与えられる北米の2007年キイル賞(The 2007 Quill Award)のグラフィックノベル部門の受賞作品に『コミックスを生み出す:コミックスとマンガ、グラフィックノベルの物語の秘密:Making Comics: Storytelling Secrets of Comics, Manga and Graphic Novels』(スコット・マックラウド著)が選ばれた。
 キイル賞は米国で出版書籍に与えられる賞の中で最も知られたひとつで、選考委員会が過去一年間に出版された最も興味深く、価値がある本を部門ごとに選出する。このうちグラフィックノベル部門は、アメリカンコミックス以外にも、日本のマンガがノミネートされることにもあり注目されている。特に昨年は日本のマンガ『NARUTO』(岸本斉史著)が受賞をして話題を呼んだ。

 今年も米国の出版社バーティカルから発売された手塚治虫の『きりひと讃歌』が、ノミネート5作品のなかの1冊になったが惜しくも受賞を逃した。ノミネート作品にはこの『きりひと讃歌』を含めて高度なストーリーマンガ、コミックスが並んだ。
 ところが受賞作品はその作品の物語の考え方を指南するハウツー本である『コミックスを生み出す:コミックスとマンガ、グラフィックノベルの物語の秘密』であった。著者のスコット・マックラウド氏は米国でも著名なコミックスの評論家だが、今回の選択はやや意外感もあり面白い選択である。
 また本のタイトルにコミックスだけでなく、マンガやグラフックノベルに言及しているところも、現在の時流を現しており興味深い。

 これは作品自体でなく、作品を生み出すことに、選考委員が価値を見出したことである。マンガやコミックスの読み手ではあっても、描き手になることは少ない米国で、作品を描くことに注目があたりつつあるといえる。
 実際に好調なコミックスの売上とマンガや米国産マンガ市場の成長が、作品クリエイターに対する需要を拡大している。今回の選出は、アメリカのコミックス・マンガ文化の変化の兆しかもしれない。

キイル賞(The Quill Award)公式サイト /http://www.wnbc.com/thequills/
 
2007年キイル賞グラフィックノベル部門受賞作品
『コミックスを生み出す:コミックスとマンガ、グラフィックノベルの物語の秘密:
Making Comics: Storytelling Secrets of Comics, Manga and Graphic Novels』
スコット・マックラウド Scott McCloud (Harper Paperbacks)

ノミネート作品
『きりひと讃歌』 手塚治虫 (Vertical)
『Alice in Sunderland』 Bryan Talbot (Dark Horse)
『Exit Wounds』 Rutu Modan (Drawn & Quarterly)
『Aya』 Marguerite Abouet/Clement Oubrerie (Drawn & Quarterly)

《animeanime》
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