大手アニメ製作会社プロダクション I.Gの脚本家である櫻井圭記氏は、外務省が行なう日本文化の海外紹介プロジェクト「外務省派遣講師」の派遣講師に選ばれた。 このプロジェクトは外務省が日本の文化を海外に紹介するため、各分野の専門家を各国に派遣し文化交流を図るものである。櫻井氏が選ばれたのは、このうちのポップカルチャーの分野となる。 海外での日本のアニメの関心の高まりもあり、外務省は国際交流基金を通じて、近年日本のアニメ文化の紹介にも力を入れている。これまでにもアニメ監督の高畑勲氏が北アフリカ3カ国で講演を行なったほか、テレコム・アニメーション代表取締役の竹内孝次氏が東南アジア4カ国でアニメビジネスの講演を行なっている。 櫻井氏は1977年生まれで、大学院卒業後プロダクション I.Gの制作する『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』のアニメシリーズに参加した。2002年にプロダクションI.Gに入社後は、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』や『お伽草子』などの脚本を手がけている。 同氏は東ヨーロッパのポーランド、ルーマニア、ブルガリアの3カ国で『日本のアニメーション産業とその仕事(仮)』と題して、日本アニメの国内・国外における発展の歴史を紹介する。 それと同時に、映像資料を使用してアニメの具体的な制作過程や日本アニメの制作技術、演出を作品ごとに解説する。外務省はこれまで数多くの人材を講師として派遣しているが、29歳の櫻井氏はそのなかでは最年少になる。 また、外務省は今後もさらにアニメやマンガなどの分野でグローバルな外交を進める予定である。平成18年度がアニメ外交官ともいうべき「アニメ文化大使」の設置や日本マンガ大賞(仮称)の新設などが計画されている。 国際的な文化交流の場で、アニメやマンガが活躍する場面がこれから益々増えていきそうだ。/プロダクションI.G /外務省