日本動画協会は11月から優秀なアニメーターを発掘・育成することを目的とした、技能評価試験と研修講座を実施する。 これは日本動画協会が経済産業省から支援を受けて実施しするもので、アニメーターを目指す学生などから試験に合格した者に対して実践的な教育を施し原画マンレベルの能力を身につけさせるものである。 また、インターシップなど実践的な教育を多く盛り込むことで、現場に即した人材の育成を目指す。昨今、指摘されているアニメ制作の現場での有能なアニメーターの不足を解決するべく、国と業界団体が乗り出したといえるだろう。 養成プロジェクトの参加者募集は10月13日から既に始まっており、10月30日に締切られる。その後、11月12日に都内で第一次試験を行い、合格者は作品提出と実技、面接、作文による第二次試験に進む。 さらに2次試験の合格者は講義と実技からなる指導講座を受け、その後はアニメ制作会社でのインターシップを行なう。 現在、プロジェクトの協力及びインターシップの受け入れ先として、オー・エル・エム、GONZO、手塚プロダクション、東映アニメーション、テレコム、トムス・エンタテインメント、ぴえろの各スタジオが参加をしている。 気になる試験の内容は、1次試験が作画の基本技能のテストになる。試験時間は8時間に及び、基本デザイン能力と絵コンテをベースとしたライテンイング・カメラワーク、キャラクターの動きのイメージと制作をする能力などが問われる。 実際には、レイアウトの作成からラフ原画、原画、動画の制作が行われるようである。 2次試験ではキャラクターデザインなどの作品の提出、それに面接や作文などでクリエイティブ能力やコミュニケーション能力も判定される。 今回のプロジェクトは人材不足が叫ばれるなか、行政がこの問題に積極的に取り組む姿勢を見せる点で高く評価出来る。今回のプロジェクトだけで制作現場の人材不足の問題が解決出来るものでない。 しかし、人材育成・発掘のための実験的プロジェクトの経験は、今後のアニメーター育成の方向性を明らかにすることが出来るだろう。/アニメーター養成プロジェクト /日本動画協会 /経済産業省