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それだけ待った甲斐もあり、プレミア上映が始まると壇上には日本から水島精二監督、制作会社BONESの社長の南雅彦氏、そして米国側の声優やプロデューサーなど豪華なゲストが勢ぞろいした。Q&Aコーナーは上映のあとのため簡単な紹介だけだが、それでも既に会場は最高潮に達する。
水島監督は、とてもうれしいですといった簡単な挨拶を述べただけで、最後にBONESの南雅彦プロデューサーが「『劇場版鋼の錬金術師』の米国プレミアをこんなに多くの人と観ることが出来てとてもうれしい」と挨拶をした。そして、南氏と水島監督の「スタート!」との掛け声と伴に、試写会が開始された。
水島精二フォーカスパネル
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日本であれば一時間近い時間がファンからの質問だけで持つのかと思うが、質問待ちは常に長蛇の列になり、まるで途絶えることはない。質問の内容は、どちらかと言えば一般的な内容が多い。
例えば「どうすれば監督になれるのですか?」とか「監督はどういう仕事なのですか?」といったものである。
ちなみに、前者の答えは「なりたいと思う気持ちこそが大切、なりかたは一様ではなく、なる方法を考えることも大切である」というものである。後者の答えは「厳しい仕事だが、全ての仕事に関われるのが面白い」としていた。
なかでも一番受けていたのは、監督の一番好きなキャラクターは何ですか?という質問に、監督が躊躇なくアルと答えたときである。会場のアルファンと思われる人たちから大きな歓声があがった。
また、変わったところでは、『鋼の錬金術師』とキリスト教との関連を尋ねたものがあった。やはり、アメリカ人にとって作品の中に散りばめられた宗教的なモチーフは気になるらしい。
しかし、その点について水島監督は、特定の宗教のイメージは強くないと明確に否定し、作品を作るうえで関心があるのは人をどう動かすかということだと説明した。
質問者の顔が見えなかったので、そうした答えが質問者の期待していたものかどうかは判らなかった。
こうした様々な質問を丁寧に、時には悩みながら答える水島監督のファンに対する気持ちは会場に十分伝わっており、参加者にとっては充実したパネルだったに違いない。
/アニメエキスポ2006
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