デジタルコンテンツ協会は、映像・音楽・画像など多彩な分野にわたるデジタルコンテンツ産業の促進を行う業界団体である。アニメーション分野でも様々なセミナーやレポートを出すなど活発な活動を行っている。 このデジタルコンテンツ協会の発行しているDCAJnewsは、短いながらも様々なレポートをしており、アニメ関連でも興味深い記事が多い。 とりわけ最新号(123号)の海外レポートは注目である。韓国、シンガポール、インドといったここ数年、アニメーション分野で急成長した3カ国を取り上げているからである。 アニメーションの海外事情というとこれまでアメリカやヨーロッパ、最近では中国といった国に注目が集まることが多い。海外の情報と言った時も、そうした国の情報に偏りがちである。それ以外の国の情報となると極めて断片的である。 レポートの目的は、関係業界のための資料ということが第1にあると思われるが、各国のアニメ事情を知るにもよい資料である。 韓国については、「韓国3D(立体)コンテンツは、今」と題した3D関連の研究所の概略とゲームショウの紹介がされている。 また、昨年アメリカの映画制作会社ルーカスフィルムが初めての拠点ルーカスフィルム・アニメーションを設立したシンガポールは、「シンガポールCGの最前線」で取り上げている。シンガポールは、アニメーション産業を国家的に支援していることで知られているが、そうした各政府機関の取り組みが報告されている。 さらに、「インド発-デジタルシネマ最前線」では、デジタルアニメーションのアウトソーシング先として急速に注目されるインドのデジタル映像産業レポートしている。内容は、主にデジタルシネマに携わる企業の事業内容の紹介である。 いずれのレポートも量的に多くはないが、全て現地取材に基づくものである。これら地域のアニメーション産業の情報が圧倒的に不足する中で、貴重な1次資料になる。/財団法人デジタルコンテンツ協会 /DCAJnews 第123号
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