今年で60回目を迎える毎日映画コンクールのアニメーション部門のアニメーション映画賞に、水島精二監督『鋼の錬金術師 シャンバラを往く者』が選ばれた。毎日映画コンクールは日本で最も歴史のある映画賞のひとつで、日本アニメーション映画賞は1989年より設けられている。 同賞は映画コンクールのもうひとつのアニメーション部門の大藤賞より、エンターテイメント性を重視した映画が選ばれている。これまでの受賞作には『魔女の宅急便』や『人狼』、『東京ゴッドファザーズ』などがある。今回の『鋼の錬金術師』の受賞は、同作品が昨年の話題作というだけでないエンターテイメント作品としても高く評価されたといえる。 また、同じアニメーション部門でより芸術性やクリエイティブな面を重視する大藤信郎賞には、岸本新太郎氏の『tough guy!2005』が選ばれた。『tough guy!2005』は、岸本氏がPCを用いて制作したインディペンデントの短編CGアニメーションである。リアルなカマキリを主人公としたダイナミックな動きが特徴の作品となっている。 同作品は、アジアデジタルアート大賞やBroad Starコンテストのグランプリ、CGアニメコンテスト・エンタテイメント賞など数々のデジタルアニメーションのコンクールで受賞をしておりCGアニメーションのなかでも注目をされていた。 しかし、大藤賞は個人制作の作品も選考対象としているものの、制作者が完全に単独の作品が受賞した例は少なく、インディペンデントのCGアニメーションの受賞は今回が初めてになる。これは近年大きなムーブメントになっている自主制作のCGアニメーションが、アニメーション全体のなかで無視出来ない存在になったことを示しているだろう。 また、映画コンクールで最も注目される日本映画大賞は、井筒和幸監督の『パッチギ!』が受賞をしている。さらに、撮影賞、美術賞、技術賞の3部門に加えて、ファン投票によって選ばれるTSUTAYAファン賞日本映画部門には、『ALWAYS 三丁目の夕日』が選ばれている。/毎日映画コンクール /鋼の錬金術師 シャンバラを往く者
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