毎年、優れた作品をベスト10で公表する映画雑誌キネマ旬報の年間ベスト10の2005年度作品が1月10日に発表された。発表されたのは、日本映画と外国映画のベスト10と個人部門の各賞である。そのなかで、ビックコミックオリジナル連載中の西岸良平のコミック『三丁目の夕日』を映画化した『ALWAYS 三丁目の夕日』が日本映画ベスト10の2位に選ばれた。 また、同作品の中で活躍した堤真一郎と薬師丸ひろ子がそれぞれ助演男優賞と助演女優賞を受賞した。第1位には井筒和幸監督の『パッチギ!』が選ばれている。 キネマ旬報の映画ベスト10は1924年に始まり今年で79回目を迎える。映画の芸術性を高く評価することと通常の映画賞や映画祭とは異なる独自の視点から作品を選ぶことで、毎年、映画界で大きく注目を浴びている。 しかし、キネマ旬報のベスト10は話題性や興行的な面でなく、芸術的な面を評価するため、これまでアニメ作品やマンガ原作の作品はあまりベスト10に入って来ていない。 アニメ映画からここ10年でベスト10に入ったのは、1997年の『もののけ姫』の第2位、2001年の『千と千尋の神隠し』の第3位のみである。それ以前にもジブリ・宮崎作品以外でベスト10に入った作品は見当たらない。アニメ映画は、興行面では邦画市場のかなりの部分を支えているが、映画の評論家からはほとんど評価されていないと言えるかもしれない。 同様のことはマンガ原作の映画にも言える。近年、映画原作としてのマンガの重要性は高まるいっぽうである。しかし、マンガ原作の映画もやはり映画評論家から省みられることは少ない。そこには、アニメやマンガ原作は特殊な映画、子供向けの作品、特定市場の作品という意識が強く働いているといえる。 2005年の大ヒット映画『NANA』と『ALWAYS 三丁目の夕日』は、そうした特定市場のコミックファンの枠組みを大きく超えた点で大きな意味がある。さらに今回『ALWAYS 三丁目の夕日』がキネマ旬報の2005年第2位に選ばれたことは、マンガが芸術的な質の高い映画の原作にもなることを確認させた点でも意味があるだろう。/キネマ旬報社 /ALWAYS 三丁目の夕日公式サイト
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