プリンセス天功は、脱出マジックで有名な引田天功を1980年に2代目として襲名し、米国では絶大な人気を誇る日本人マジシャンである。このプリンセス天功を主人公にしたアニメが、上記の作品で正式なタイトルは『Princess Tenko and the Guardians of Magic』である。 1995年に、パワーレンジャー(戦隊シリーズ)を米国で放映し名を上げたサバン・エンターテイメントにより26話シリーズで製作された。レストラン『トリニティ』の広告では、全米第3位の視聴率をマークとしたとされているが、どのような種類の視聴率かは不明である。放映自体はシンジケート市場(地方局ネットワーク)での放映であったが、その後のマテル社から発売されたこのアニメの主人公のPrincess Tenko人形は全米で800万体を販売したという。 現在、日本人アイドルPuffyをモデルとしたアニメ『Hi Hi Puffy Amiyumi』が米国で大人気だが、そうした作品の先駆的なものといえるかもしれない。しかし、アニメ『PRINCESS TENKO』では、主人公は実在のプリンセス天功と異なり米国人と設定されていた。そこに、当時と現在のアニメーションを取り巻く状況の変化を感じる。