『機動警察パトレイバー EZY』「無理でしょ」からの使命感で作り上げた次世代のパトレイバーが登場!監督も「もう少し続けたい」【インタビュー】 | アニメ!アニメ!

『機動警察パトレイバー EZY』「無理でしょ」からの使命感で作り上げた次世代のパトレイバーが登場!監督も「もう少し続けたい」【インタビュー】

サプライズ要素もあって大人気公開中の『機動警察パトレイバー EZY』。その誕生にまつわる裏話をキーマンたちに聞いた!

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『機動警察パトレイバー EZY』File 1場面写真(C)HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
  • 『機動警察パトレイバー EZY』File 1場面写真(C)HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
  • 左より、キャラクター原案のゆうきまさみさん、監督の出渕裕さん、脚本・シリーズ構成の伊藤和典さん
  • 『機動警察パトレイバー EZY』File 1 キービジュアル(C)HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
  • 『機動警察パトレイバー EZY』File 1場面写真(C)HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
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  • 『機動警察パトレイバー EZY』File 1場面写真(C)HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
  • 『機動警察パトレイバー EZY』File 1場面写真(C)HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
  • 『機動警察パトレイバー EZY』File 1場面写真(C)HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会

1988年にOVAシリーズとしてスタートし、約40年が経過した『機動警察パトレイバー』が、完全新作『機動警察パトレイバー EZY』(以下『EZY』)としてスクリーンに復活! 全8話の物語を3回の劇場公開に分けて上映します。

現在その第1弾「File 1」が劇場公開中ということで、原作者グループ「HEADGEAR」より、監督の出渕裕さん、脚本・シリーズ構成の伊藤和典さん、キャラクター原案のゆうきまさみさんにインタビューを実施。新世代キャラクター誕生の背景や、『機動警察パトレイバー』の“その後”の世界観となる本作の舞台設定などについてうかがいました。

左より、キャラクター原案のゆうきまさみさん、監督の出渕裕さん、脚本・シリーズ構成の伊藤和典さん

◆ハードルが高すぎて「オレたちがやるしかない」

――今作で注目といえば、十和をはじめとする次世代の特車二課です。新世代のキャラクターを登場させるにあたり、どのような感想をお持ちでしたか?

出渕 そもそも30年近い時間が経った世界を作るなんて想定もしてなかったですよ。

ゆうき それは皆思ってましたね(笑)。

出渕 作り方はいろいろとあると思いますが、僕の中で『パトレイバー』と言えば、ファンとともに年齢を重ねていくシリーズという認識です。そうなると、無理に先代を登場させるよりも、全員新世代にしたほうが自然だったんです。

伊藤 ただ野明たちは奇跡的にいいバランスだったんですよね。あれを越えるのは無理だろうと。

ゆうき 「ハードルが高すぎるから、やれないでしょ」みたいなところはありましたよね。でも伊藤さんが「やれるよ」って言うから(笑)。

伊藤 すみません、虚勢張ってました(笑)。

――ゆうき先生は今回、キャラクター原案としてのご参加ですよね。

ゆうき でもあまり関われなかったんです。企画がスタートした当初は打ち合わせなどに参加していたのですが、そのうち『新九郎、奔る!』の連載が忙しくなり、シナリオ会議の途中から出られなくなってしまいました。キャラクターについては、最初の頃はいまいち掴めないものがあったのですが、今回は自分でマンガを描くわけではありませんから、まったくわからない状況で完成したものを楽しませてもらいました。「こうなるのか」みたいな、けっこう新鮮な感じでしたね。

――企画がスタートした段階は、やはり皆さんワクワクする気持ちが強かったのでしょうか?

伊藤 使命感に近いと思います。オレたち以外にはできないだろうと。

出渕 先代を越えるキャラクターを作らないといけないんですけど、そのハードルはめちゃめちゃ高いんですよ。その部分では伊藤さんもかなり悩まれていました。

『機動警察パトレイバー EZY』File 1場面写真

――どのようにキャラクターを成立させていったのですか?

伊藤 少しずつキャラをずらすようなイメージですね。

ゆうき 太田枠が主人公の十和になっているとか。

伊藤 その面もあるし、ひろみちゃんのポジションを八久万にしたりしました。八久万は女の子ということもあり、ひろみちゃんよりももっと乙女キャラにしたんですよ。ちょっとずつズラしてはいるけど、そのままではありません。

本来ならもう少し時間をかけて育てていかないといけないのですが、一旦、全8話ということで僕の中では途切れてしまっています。やはりある程度の話数を重ねないと話が転がって行かないし、見せ場も広がっていきませんから、そこはもう少しどうにかしたかったです。

――アーリーデイズ(OVA)の頃に戻ったような感覚ですか?

伊藤 そういうことです。

出渕 ただスライドさせたことで、結果的に先代の懐かしさも感じられ、ある意味での安心感にもつながりましたよね。それに先代の空気感を損なわないよう、伊藤さんには上手く物語に落とし込んでいただきました。別の場で伊藤さんが「育てたのは、ぶっちゃん(出渕さん)だからさ」とおっしゃっていましたが、いわば伊藤さんが生みの親で、僕が育ての親みたいなものです。そこへゆうきさんのキャラクターデザインが加わり、ゆうきさんとのやり取りや演出作業を通じて、僕の中でさらにキャラクターのイメージが固まっていった形です。今回は具体的に描いていませんが、「実はこういう趣味がある」という裏設定もありますよ。

『機動警察パトレイバー EZY』File 1場面写真

――今回は「NEW OVA」シリーズの時系列とつながっているそうですね。ただ「その後のパトレイバー」として考えた時に、押井さんの実写版とは解釈が異なっているように感じました。そのあたりについて、HEADGEARの皆さんはそれぞれ異なるイメージをお持ちだったのでしょうか?

伊藤 統一したものはないですね。世界線でいえば、押井さんの実写版はどの作品からも一線を画す「押井ワールド」に近い立ち位置です。

出渕 そうですね。実写版はどこともつながっていない気がします。

――今回はどのようなコンセプトで「その後の世界」を設定されたのですか?

出渕 当初はもっとリアルに、「バビロンプロジェクトが終了し、特車二課がレイバーを回収する話」という方向性も考えていました。何しろレイバーが存在する世界は、80年代というバブル期に誕生したものであり、当時は「そういう世界もあり得るかな」という雰囲気がありました。しかしそういう10年先の未来だった1998年は既に過去となっています。現在の東京に、レイバーなんて存在してないですよね。でもいてくれないと作品としては成立しない。そこは「レイバーが存在する世界」で、その上での未来線をどう描くかだと。

『EZY』という新たな企画に取りかかるにあたり、今の“リアル”と“理屈”で考えた場合、レイバーは産業機械の延長線上でありながら、人が乗って操縦する作業機械なんて時代遅れで、徐々にAI搭載の自立型ロボットに取って代わられつつあるんだろうと。それに使い方では武器にも凶器にもなりえる存在です。公的にも全部のレイバーを回収して廃棄していく時代になっている感じで。そうなると、特車二課を、隠匿された未登録のレイバーが犯罪に使われないよう摘発していく部隊にしたほうが自然かと思ったんです。ただそれをやってしまうと、回収し終わったら特車二課そのものの存在意義がなくなってしまいます。

――確かに。

出渕 でも、そのほうが隊員たちの「俺たちは何をやっているんだ」的な葛藤も生まれてドラマになる気はしていました。その話をプロデューサーに伝えたところ「夢がないですね。それでは終わってしまいます」と一蹴されちゃった(笑)。それで、いったん“リアル”と“理屈”は置いて割り切って、終わらない文化祭ではありませんが、読み切りマンガ感ある多彩なエピソードにしていくことで先代シリーズのイメージに回帰する方向に舵を切りました。

――ちなみに、ゆうき先生がマンガで描くとしたら、どのような「その後の世界」になっていたのですか?

ゆうき どうなんでしょうね。近いものにはなったと思います。その意味でも最初に「無茶な企画だな」と思いました(笑)。

◆3DCGでこだわりを実現― 新たなメカアクション!

『パトレイバー EZY』特報カット

――そして今回注目といえば、イングラムの新たなデザインです。どのような意図であのデザインになったのですか?

出渕 実は、僕自身はそのままでいいと思っていたんですよ。ただプロデューサーから「どこか一部でも新しく変えてほしい」という要望があり、あのデザインになりました。

どのロボット作品もそうですが、個人的には安易に新型機が登場することに抵抗があるんですよ。主人公機といえばワンオフ機であることが多く、莫大なコストをかけて作ったものを、そう簡単に取り換えるはずがないと思うんです。例えば自衛隊に配備されているF-15戦闘機は、70年代に開発されたものにも関わらず第一線です。変えないほうがリアルなこともあるんですよ。

――先代だと「太田がよく壊すからパーツが足りなくなって外見が異なる」という設定があり、その2号機の肩パーツがやはり直線なデザインでしたから、「再整備の象徴としてあのデザインに寄せたのかな?」とニヤリとしていました。

出渕 あれは太田のキャラ付けですね(笑)。

『機動警察パトレイバー EZY』File 1場面写真

――長編シリーズとしては初のデジタル作品となったわけですが、映像的にはどのように進化しましたか?

出渕 元々レイバーは産業機械のカテゴリですから、3DCGとの親和性は高いですよね。それと手描きではもう今回のようなメカアクションは難しいです。3DCGによって細かい部分も描けるようになったので、「こちら側のこだわり」を実現することはもちろん、「お客さんが求めるクオリティ」にも応えるべく、時間はかかってしまったものの納得してもらえる仕上がりにはなったのではないでしょうか。

伊藤 昔は勢いだけで作れましたけど、もうなんともなりませんよね。

出渕 そうなんです。『パトレイバー』も昔のテレビシリーズや『アーリーデイズ』を見返すと、やはり作画的には厳しいんですよね。当時見てくださっていた方々は、それを見慣れているので違和感が少ないかもしれませんが、新しいファンにとっては、あのクオリティで新作はあり得ません。

ゆうき 3DCGにしてよかったと思う場面がいっぱいありますよね。

――たくさんお話をうかがってきましたが、最後に今後の作品への抱負をお願いできますでしょうか。まずはゆうき先生、お願いします。

出渕 ゆうきさんに、『EZY』のマンガを描いてほしいですね!

ゆうき メカは体力的に厳しいですよ(笑)。

出渕 必要なメカのポーズがあったらデータで送りますから!(笑)。

ゆうき 個人的には災害救助のお話はもっと見たいですね。

伊藤 僕はこの8話でお腹いっぱいになったので満足してるんですけど……ぶっちゃんがもう少しやりたいと言うので、付き合うつもりです(笑)。

出渕 せっかくキャラクターが育ってきたので、もう少しキャラクターを描いて育ててあげたいんですよ。

ゆうき せっかくのキャラがかわいそうだよね。

出渕 File 3のあとの物語も一応、考えています。

――まだまだ「終わらない文化祭」、楽しみにしております!

『機動警察パトレイバー EZY』File 1場面写真

<機動警察パトレイバー EZY 公開情報>
全3部構成にて劇場公開中
・File 1…絶賛公開中
・File 2…2026年8月14日~
・File 3…2027年3月予定

【CAST】
久我十和:上坂すみれ、天鳥桔平:戸谷菊之介、平田紗季:小清水亜美、間 昭彦:小林親弘、柳井雄太:佐藤せつじ、柚木八久万:松村柚芽、佐伯貴美香:林原めぐみ ほか

【STAFF】
監督:出渕 裕、脚本・シリーズ構成:伊藤和典、キャラクター原案:ゆうきまさみ、コスチュームデザイン協力:高田明美・山田章博、キャラクターデザイン・総作画監督:佐藤嵩光、メカニカルデザイン:海老川兼武・渭原敏明、モビリティデザイン:河森正治、ディスプレイデザイン:佐山善則、演出:海宝興蔵、美術:菊地正典・秋山優太、色彩設計:伊藤由紀子、撮影監督:大河内喜夫、編集:仙土真希(REAL-T)、CG監督:森泉仁智、CG制作:GAZEN・J.C.STAFF CG部、音響監督:若林和弘、音響効果:山田香織、音響制作:マジックカプセル、音楽:川井憲次、プロデューサー:真木太郎、共同プロデューサー:町田有也、アニメーションプロデューサー:松倉友二(J.C.STAFF)、アニメーション制作:J.C.STAFF、プロデュース:GENCO、オープニングテーマ「黎明Compass」Mori Calliope、エンディングテーマ「バトン」永井真理子、配給:松竹ODS事業室・バンダイナムコフィルムワークス、製作:機動警察パトレイバー EZY製作委員会

© HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会


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