■生身の人間が演じるからこその表現
――舞台の台本はもう手元に届きましたか?
蒼木 はい。「ここでこの演出なのか!」、「舞台でこのシーンもできるのか!」と驚かされることも多くて。ワクワクや楽しさを感じながら読みました。脚本や演出を担当されている末満(健一)さんの中では、すでに舞台上でのプランができていると思います。
末満さんの作品は演出方法がおもしろく、演者としてもお客さん目線としても魅力的です。また、末満さんはどのセクションに対しても愛を持って向き合われる方なので、台本を読んでいても熱い想いが伝わってきました。その愛に応えられるよう、役者としてしっかり取り組んでいきます。
――蒼木さんはこれまでも『舞台「刀剣乱舞」』シリーズをはじめとする末満さんの作品に出演されていますが、それでも驚きが多いのですね。
蒼木 毎回驚かされてばかりです。とくに本作では表現の難しいシーンが多いので、演出がどうなるのかまったく予想できません。列車の表現はもちろん、猗窩座のシーンがどうなるのか、楽しみであると同時に、押し寄せる不安もひとしおです(笑)。
――蒼木さんは「2.5次元」と呼ばれるジャンルの舞台でも活躍されています。2.5次元のキャラクターを演じるとき意識していることはありますか?
蒼木 「もしこのキャラクターが僕らと同じ人間の世界にいたらどんな人だろう」と考えています。2.5次元とはいえ演じているのは生身の人間で、舞台は僕らが生きている現実の世界に存在します。生身の人間が演じることでより魅力的に見える部分もあると思うんです。せっかく舞台として見るのに、2次元で楽しんでいるときとまったく同じ感想しか抱けなかったらもったいない。人間が演じるからこそできる表現や伝わる生の感情を大事にして、そのキャラクターをもっと好きになってもらえたらと思っています。
――舞台の上で蒼木さんが演じることで、猗窩座の新たな魅力も伝わりそうですね。
蒼木 でも今回演じるのは鬼なので、これまでと同じように「現実にいたら……」と考えるのは少し難しかったです。僕は腕が取れた経験もないですし、身体をえぐられて再生した経験もありません。どうしても想像力で補うしかないですが、そんなマンガやアニメでしか起こりえない場面も、演劇では演出や役者の表現でお客さんに伝えることができます。想像力と工夫でどんな世界でも描写できるのは、2.5次元舞台のおもしろさのひとつです。
■お前も○○にならないか?
――猗窩座の名台詞「お前も鬼にならないか?」のように、蒼木さんが仲間を増やしたいと感じていることはありますか?
蒼木 「お前もマッチョにならないか?」です(笑)。僕はありがたいことに、アクションシーンのある舞台など身体を動かす機会を多くいただいています。もともとアクションは得意でしたが、体幹トレーニングを取り入れてからは軸がまったくぶれなくなりました。もしこれまでトレーニングを避けてきた読者の方がいたら、「お前も一緒にトレーニングをしてマッチョにならないか?」とおすすめしたいです。体幹が強くなると私生活でも楽な動きが増えますし、トレーニングをすると代謝も上がります。
――ちなみにおすすめの体幹トレーニングはありますか?
蒼木 プランクです。うつ伏せになって両腕とヒジ、つま先を床に付けて姿勢をキープするトレーニング。筋肉や体幹はあって悪いことはないと思うので、ぜひ今からトレーニングをして、マッチョになった状態で舞台を観に来てください(笑)。
――最後に本作の見どころと、読者に向けてメッセージをお願いします。
蒼木 本作の一番の見どころは、物語全体を通して描かれる煉獄杏寿郎の生き様だと思います。その生き様が今後の炭治郎、善逸、伊之助にも影響を与えていくので、ぜひ注目してほしいです。また、そんな杏寿郎と戦う猗窩座の姿も楽しみにしていてください!
あと、これは僕自身がこれまでに感じたことでもありますが、見ている間に心が動いた作品は、いつまで経っても忘れないものです。『舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車』も観に来てくださった方々の心にずっと残るよう、座組のみなさんと力を合わせて駆け抜けていきます。今回はキャストが比較的少ないので、ある意味では全員が主人公。ひとりひとりがしっかり作品を背負って挑まなければなりません。全員が責任を持って役と向き合った姿をお客さんに届けようと思っているので、最後まで応援よろしくお願いします!
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『舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車』は2022年9月10日より順次、東京・京都にて上演予定。演劇ならではの表現で描かれる新たな『鬼滅の刃』の魅力を、ぜひ客席で体感してほしい。
舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車
【公演期間・劇場】東京:2022年 9月10日(土)~9月11日(日) TOKYO DOME CITY HALL
京都:2022年9月16日(金)~9月25日(日) 京都劇場
東京凱旋:2022年10月15日(土)~10月23日(日) TOKYO DOME CITY HALL
【原作】『鬼滅の刃』吾峠呼世晴 (集英社ジャンプ コミックス刊)
【脚本・演出】末満健一
【音楽】和田俊輔
【出演】
竈門炭治郎 小林亮太
竈門禰豆子 高橋かれん(※禰豆子の「禰」は「ネ(しめすへん)」が正式表記)(※高は、はしご高が正式表記)
我妻善逸 植田圭輔
嘴平伊之助 佐藤祐吾
魘夢 内藤大希
猗窩座 蒼木 陣
煉獄千寿郎 下川恭平
煉獄槇寿郎 細見大輔
煉獄杏寿郎 矢崎 広
(※煉獄の「煉」は「火+東」が正式表記)
アンサンブル
飯島優花
大原万由子
黒沼 亮
高原華乃
夛田将秀
丹下真寿美
千葉雅大
遥 りさ
星 賢太
米澤賢人
渡来美友
【監修】集英社(「週刊少年ジャンプ」編集部)
【協賛】ローソンチケット
【協力】一般社団法人日本 2.5 次元ミュージカル協会
【主催】舞台「鬼滅の刃」製作委員会
(C)吾峠呼世晴/集英社
(C)舞台「鬼滅の刃」製作委員会