「平家物語」のその後、知られざるもう一つの「平家物語」がここに―― 湯浅政明監督が贈るミュージカル映画「犬王」 | アニメ!アニメ!

「平家物語」のその後、知られざるもう一つの「平家物語」がここに―― 湯浅政明監督が贈るミュージカル映画「犬王」

アニメ『平家物語』が最終回を迎えた。そして2022年5月28日には、湯浅政明監督が『平家物語』のクライマックスにもなった壇ノ浦の戦いから200年後を描くミュージカルアニメーション映画『犬王』が公開される。本記事では、『犬王』を紹介したい。

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『犬王』場面カット(C)2021“INU-OH”Film Partners
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  • 『犬王』本ビジュアル(C)2021“INU-OH”Film Partners
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TVアニメ『平家物語』が最終回を迎えた。そして2022年5月28日には、湯浅政明監督が『平家物語』のクライマックスにもなった壇ノ浦の戦いから200年後を描くミュージカルアニメーション映画『犬王』が公開される。本記事では、『犬王』を紹介したい。

※以下の本文にて、TVアニメ『平家物語』未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意下さいませ。


TVアニメ『平家物語』の最終話では、遂に壇ノ浦の戦いが描かれた。平家の行く末を見届けると決めたびわは安徳天皇や徳子たちと船に乗るも、次第に平家の軍勢たちは不利な状況に。追い詰められた平家は、幼い安徳天皇と、後白河方法が望んでいた三種の神器と共に海の中へと身を投じる……。
そして戦いののち、びわが平家の栄枯盛衰を語り継いでいく姿が描かれた。

これまでも重盛との別れや敦盛の最期でも視聴者を圧倒してきた本作だが、壇ノ浦の壮絶な合戦から、それを祈り継ぐ徳子・びわを描いた静謐のエンディングは、まさに視聴者も息をのむ最終話となった。

この『平家物語』から200年後が舞台となるのが『犬王』だ。


『犬王』は、実在しながらもその楽曲が一切現代に残されておらず謎に包まれた“知られざるポップスター”能楽師・犬王をモデルに、大胆な解釈でストーリーを紡いだ古川日出男の小説『平家物語 犬王の巻』を、監督・湯浅政明×キャラクター原案・松本大洋×脚本・野木亜紀子×音楽・大友良英の布陣で映像化したミュージカルアニメ作品。

舞台は壇ノ浦の戦いから200年後、時代はもはや平家も源氏も昔話となった室町時代。
将軍・足利義満による太平の世の中で、かつて戦に敗れた平家の骸や遺物が今も海中に眠る壇ノ浦に暮らしていた少年・友魚(トモナ)は、ある日都から来た連中に頼まれて、安徳天皇と共に沈んだといわれる三種の神器を父親と探すことに。
偶然にも海中からその神器のひとつ“草薙の剣”を見つけた友魚だが、その剣の呪いによって父親は命を落とし、友魚は両目の視力を失ってしまう。


平家の呪いによって死に、亡霊となってしまった父の声に背中を押され、ひとりで都へと向かう盲目の友魚は途中で出会った琵琶法師の弟子となり、自らも琵琶法師として平家の物語を語り継ぐこととなった。
そんな友魚が偶然出会ったのが、犬王。猿楽能の一派・比叡座の棟梁の子でありながら生まれつき異形のために瓢箪のお面をつけられたまま疎まれて育った犬王だが、その逆境をものともせずに見よう見まねで能を学び、特異な体つきと生まれつきの才能を活かして人とは違う舞を舞いはじめる。


盲目の琵琶法師として生きる友魚と、瓢箪の面をかぶり自由に舞い踊る犬王。二人の少年が出会ったことで、時代に埋もれ、語られることがなかったもう一つの『平家物語』が動き出す……。

「第78回ヴェネチア国際映画祭」で“ロックオペラ”とも評された本作は、当時の猿楽や能が民衆に巻き起こした熱狂を伝えるべく、犬王や友魚が奏でる音楽にヒップホップやロックを活用。まさに現代の野外フェスを思わせる“観客参加型ミュージカル”に。
また、『平家物語』にも参加していた後藤幸浩が本作でも琵琶監修・演奏を担当し、その音色にあわせて犬王役のアヴちゃん(女王蜂)も圧倒的な歌唱を披露。


そのパフォーマンスと共に、びわが語り継いだ『平家物語』の後に続く、現代には語り継がれなかったもう一つの異聞『平家物語』を劇場で見届けて欲しい。


『犬王』は、5月28日ロードショー。

【キャスト・スタッフ】
声の出演:アヴちゃん(女王蜂) 森山未來 / 柄本佑 津田健次郎 松重豊
原作:「平家物語 犬王の巻」古川日出男著/河出文庫刊
監督:湯浅政明 脚本:野木亜紀子 キャラクター原案:松本大洋 音楽:大友良英
アニメーション制作:サイエンスSARU 配給:アニプレックス、アスミック・エース

(C)2021“INU-OH”Film Partners

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《林洋平》
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