本作の舞台となるのは、北イタリアの美しい港町。幼少期に実際にイタリアで暮らしたエンリコ・カサローザ監督が自身の思い出を反映し、“イタリアの夏”の大自然や街並みを丁寧に描いた作品となったが、なぜか“日本人が親しみやすい”世界観になっているそうだ。
日本に在住経験があり、日本のアニメーション制作会社出身のアニメーターであるアール・ブラウリーは、その理由は“宮崎駿とスタジオジブリからの影響”と“日本に多く残っている漁村の町並み”にあると明かす。これは、一体どういうことなのだろうか。
アメリカ出身のアール・ブラウリーは、アニメーターとしてのキャリアを日本でスタート。『シドニアの騎士』などで知られるポリゴン・ピクチュアズをはじめ、オー・エル・エム・デジタルなどでもキャリアを積み、約10年間にわたり日本に在住していた経験を持つ。
そのため日本のアニメーションと文化に縁が深い彼は、『あの夏のルカ』について「この作品は小さな漁村が舞台となっています。そういう町が日本にはたくさんあります。もちろん文化は違うけど、雰囲気は似てると感じています」と分析。
「僕らの制作チームは宮崎駿とスタジオジブリからたくさんの影響を受けているから、日本人が親しみやすい街並みを彷彿させるのではないでしょうか。日本人はこの映画を観ながら、懐かしい気持ちになると思います」と、日本人が親しみやすい理由について語る。

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そんな『あの夏のルカ』の監督を務めるエンリコは、日本のアニメーションが大好きな親日家として知られる。またアール・ブラウリーの言葉通り、宮崎駿とスタジオジブリにはこれまで多くの影響を受けていることも明かしている。
スタジオジブリの宮崎駿作品の中では特に、エンリコ監督は『紅の豚』がお気に入りだそうで、自身の娘に“フィオ”という『紅の豚』のヒロインの名前を名付けるほど。
本作においても、シーモンスターのルカとアルベルトが冒険する港町“ポルトロッソ”は、『紅の豚』の主人公“ポルコ・ロッソ”のオマージュだ。そのほかにも、様々なシーンに宮崎駿作品とスタジオジブリに影響を受けている部分が存在している。
ジブリ好きの監督のもと、『カウボーイビバップ』、『風の谷のナウシカ』、『獣兵衛忍風帖』に『紅の豚』が好きだと語る、日本のアニメーションへの愛をもったアニメーターのアール・ブラウリーが参加した『あの夏のルカ』。
そんな彼らがこだわり抜いた結果、ピクサーから新たに“日本人が親しみやすい”作品である本作が誕生することになったようだ。
本当の姿を見られてはいけないシーモンスターのルカとアルベルトは、憧れの人間の世界でどんな大冒険を繰り広げるのか。そして、宮崎駿とスタジオジブリからインスピレーションを受けた大冒険の舞台は、一体どのように描かれているのか。日本人の観客は、2人の友情物語により感動することになりそうだ。
ディズニー&ピクサーの最新作『あの夏のルカ』は、2021年6月18日より「ディズニープラス」で独占配信。
『あの夏のルカ』
6月18日(金)よりディズニープラスで独占配信開始
配給表記:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2021 Disney/Pixar. All Rights Reserved.