「波よ聞いてくれ」「シャチバト」「かくしごと」で職業体験!? “お仕事モノ”アニメ特集【2020年春アニメ】 | アニメ!アニメ!

「波よ聞いてくれ」「シャチバト」「かくしごと」で職業体験!? “お仕事モノ”アニメ特集【2020年春アニメ】

2020年春、今シーズンも「ラブコメ」「ロボット」「スポーツ」「異世界転生」などなど、様々なジャンルのアニメがオンエア開始となりました。本記事では、2020年春の新作から「お仕事モノ」アニメに注目!

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『波よ聞いてくれ』キービジュアル(C)沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局
  • 『波よ聞いてくれ』キービジュアル(C)沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局
  • 『社長、バトルの時間です!』ティザービジュアル(C)KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
  • 『かくしごと』キービジュアル(C)久米田康治・講談社/かくしごと製作委員会
  • 『波よ聞いてくれ』第1弾キービジュアル(C)沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局
2020年春、今シーズンも「ラブコメ」「ロボット」「スポーツ」「異世界転生」などなど、様々なジャンルのアニメがオンエア開始となりました。本記事では、2020年春の新作から「お仕事モノ」アニメに注目!
アニメ!アニメ!編集部が選んだ『波よ聞いてくれ』『社長、バトルの時間です!』『かくしごと』の3作品をご紹介します。

『波よ聞いてくれ』【お仕事:ラジオパーソナリティ】


『波よ聞いてくれ』キービジュアル(C)沙村広明・講談社/藻岩山ラジオ編成局
原作は、『無限の住人』などで知られるマンガ家・沙村広明先生が、2014年より「月刊アフタヌーン」(講談社)にて連載中の青年コミック。

舞台は、北海道 札幌市。彼氏と別れたばかりのアラサー女子・鼓田ミナレはある日、飲み屋で知り合った地元FM局のディレクター・麻藤兼嗣を相手に、酔いにまかせて失恋トークをぶちかましていた。
翌日、職場のスープカレー屋でいつものように働いていたミナレの耳に飛び込んできたのは、店内で流れていたラジオから響く“元カレを罵倒する自分の声”。
なんと、麻藤が酔ったミナレの愚痴を録音しており、自身の担当する生放送番組でオンエアしているのである。
激怒したミナレはラジオ局に乗り込むも、そこで待ち構えていたのは“ラジオパーソナリティデビュー”へと繋がる運命であった……。


注目ポイント


特定の職業に密着する「お仕事モノ」は数あれど、本作品でフォーカスしているのは“ラジオパーソナリティ”という、これまでアニメであまり扱われてこなかったお仕事。
誰もが知っているけど、身近なわけではない。そんな珍しい職業の“舞台裏”を覗けるのが、『波よ聞いてくれ』の一番のポイントでしょう。

そして、それと並ぶ大きなポイントは、“ラジオ”という未知の領域へずぶずぶと足を突っ込く主人公・鼓田ミナレというキャラクター。
作品紹介で既に触れていますが、飲み屋で泥酔して初対面の人に“失恋の愚痴”をマシンガンのように浴びせかけ、かといってシラフの時も仕事は遅刻常習犯で、業務中も真面目とは言い難い態度。終いには、仕事ほっぽり出して店を出ていく始末。ダメな大人です。
でも、そんなダメなやつだけど、喋るとすごい。ダメなやつだからこそ、面白い。第1話の最後のセリフで何だかスカッとした気持ちになった方も多いのではないでしょうか。
我々視聴者も、ミナレも、まだラジオ業界のことはあまりわかりません。でも、我々を案内してくれるナビゲーターがミナレなら、この先きっと面白いものを見せてくれると思います。

『社長、バトルの時間です!』【お仕事:社長】


『社長、バトルの時間です!』ティザービジュアル(C)KADOKAWA・でらゲー・PREAPP PARTNERS/「シャチバト!」製作委員会
原作は、KADOKAWA・でらゲー・プリアップパートナーズが2019年に配信開始した、スマートフォン向けシミュレーションRPG。略称は「シャチバト!」。キャラクターデザインは、『けものフレンズ』『ケロロ軍曹』などでお馴染みの吉崎観音先生が担当しています。

物語の舞台は、天から舞い降りた女神が“門”を出現させた場所・ゲートピアだ。
この“門”の中には、世界を維持するエネルギー“キラクリ”が存在しており、それを求める冒険者“キラクリハンター”も登場。ゲートピアは都市として発展していった。

突如“門”が現れてから月日が流れたある日、現在無職の主人公・ミナトは幼馴染・ユトリアに呼び出される。淡い期待を抱くミナトだが、ユトリアから放たれたのは「わたし、あなたのこと……社長に向いていると思ってたの!」という言葉。
ユトリアが勤める冒険者カンパニー“キボウカンパニー”の社長である、ミナトの父親が急にいなくなったのだという。こうして、ミナトは先代の後を継いで、冒険者カンパニーの社長に就任することとなり……。


注目ポイント


こちらのジャンルは「ファンタジー」。
冒険者たちがダンジョンを探索したり、クエストに挑んだり……というのはファンタジーの定番ですが、本作の主人公はあくまで冒険者ではなく、“冒険者企業の社長”です。
いわゆる「なろう」系の異世界ストーリーのように、死んでこの世界に転生したわけでもなく、チートスキルも無し。

“門”ことダンジョンを探索する際は基本的に、前線で戦う社員(冒険者)たちを後ろでサポート。社長の一番の見せ場というと、社員が倒したボス魔獣に、唯一の武器(?)である“受領印”を押してボスを“納品”するというお仕事。“受領印”を押して“納品”したボス魔獣は自動的に転送され、月末締めで翌月の25日に“冒険庁”から報酬が振り込まれるとのこと。
この、ファンタジーな世界観でありながら、現実的なビジネス用語が飛び出すという“ミックス具合”が本作の特徴だと思います。

そして、“キボウカンパニー”には、二代目社長のミナトのほかにも、幼馴染でもある秘書・ユトリア、ダンジョン攻略とバトルが大好きな猪突猛進系女子の戦士・アカリ、真面目で心優しいが“誰にもいえない秘密”を抱える僧侶・マコト、デスクワークからクレーマーの撃退までそつなくこなす事務員・ガイドさんといった社員が在籍。さらに、ライバル企業もストーリーに参入してきます。
彼ら、社長と企業冒険者たちがこの先、どのような職場(ダンジョン)で、どのような仕事(冒険)を繰り広げるのか注目です。

『かくしごと』【お仕事:マンガ家】


『かくしごと』キービジュアル(C)久米田康治・講談社/かくしごと製作委員会
原作は、『さよなら絶望先生』でお馴染みのマンガ家・久米田康治先生が、2015年より「月刊少年マガジン」(講談社)にて連載中の少年コミック。

メインキャラクターは、父・後藤可久士と、小学4年生の一人娘・姫。
何においても愛娘を最優先とする親バカ・可久士は、自身の職業が「ちょっと下品な作品を描いてるマンガ家」であることを姫に知られたくない。この“かくしごと”が知られたら、娘に嫌われてしまうかもしれない……。
母親不在の家庭で、“描く仕事”を“隠し事”にする父と、父親想いな一人娘。そんな家族の、愛と笑いとちょっと感動なハートフルコメディだ。


注目ポイント


久米田先生のアニメ化作品といえば、シャフト制作の『さよなら絶望先生』シリーズを思い浮かべる人が多いと思います。
『絶望先生』は、何かにつけて自殺しようとする主人公・糸色望たち登場人物、毒のあるジョーク、パロディの多用、大槻ケンヂさんや作中声優ユニット・絶望少女達による主題歌など、その過激さがアニメファンから“サブカル好き”までの心を掴み、大ヒットとなったブラックコメディです。

が、しかし、最新作の『かくしごと』は、むしろ爽やかさすら感じる作品に。
『絶望先生』の癖の強さや過激さはだいぶ鳴りを潜めましたが、久米田先生らしい“あるあるネタ”など特有のノリは健在。

そして、母親を欠きながらも父娘が仲睦まじく暮らす“過去”と、18歳になった姫の目線で映し出される“可久士不在の現在”の2パートが入り混じり、作品を通してどことなく感傷的な空気が漂っています。この“エモさ”、きっと好きな人にはたまらないでしょう。
作中でお洒落な人種や意識高い系のことを“おしゃぴー”と揶揄しながらもちゃっかりシティポップブームに乗っかったセレクトであろう、EDテーマの「君は天然色」も作品によりノスタルジーを与えています。

また、本作はファミリーコメディであり、そして“マンガ家うら話”でもあります。
原作コミックの巻中コメントによると、後藤可久士は久米田先生自身のことを描いているわけではないそうですが、エピソードの8割方は実話をもとにしているとのこと。
コミックスでは、どのエピソードが実体験なのかにも少し触れられているので、気になる方は原作も手に取ってみてはいかがでしょうか。
《小野瀬太一朗》
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