2010年代のアニメ史に起きた革新を、「アニメーションの創造力」特集で解き明かす一冊となっている。
2010年代、動画配信サービスによる視聴環境の多様化や他業界とのメディアミックス、グッズやゲームなどライツ事業の展開などを背景に、アニメーション表現にはどんな変化が起きたのだろうか。
「美術手帖」2月号の「アニメーションの創造力」特集は、商業アニメからインディペンデント作品まで国内外で活躍するつくり手たちへの数多くのインタビューをとおして、2010年代のアニメーション史の見取り図を描こうとするものだ。
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巻頭を飾った『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の片渕須直監督は、新作に込めた思いやアニメーション観についての話を披露した。
そして『けものフレンズ』や『ケムリクサ』などを手がけるたつき監督、Netflixで『失くした体』が配信中のジェレミー・クラパン監督、アカデミー賞に作品がノミネートされたドン・ハーツフェルト監督らへのインタビューでは、国内外両方の視点から世界のアニメーションの流れを紹介している。
さらに特集の監修を務める土居伸彰、高瀬康司が加わる座談会「2010年代、日本アニメから眺める世界のアニメーション」では、高畑勲、新海誠、湯浅政明らによる長編映画作品から商業アニメ、さらに海外作家などまで多数取り上げながら、この10年を総括的に振り返った。
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このほか紙面には、『電脳コイル』で知られる磯光雄と山下清悟の対談、『Fate/Grand Order』配信4周年記念映像の監督らへの取材記事、『ポプテピピック』内コーナー「ボブネミミッミ」を手がけたAC部へのインタビュー、アニメーション映画『花とアリス殺人事件』を手がけた岩井俊二監督らの話、『おそ松さん』と『プリキュア』の産業構造やマーケティング戦略についての記事なども収録している。
つくり手と受け手の両視点から多角的にアニメーションの可能性をとらえようとする、保存版として貴重な一冊となりそうだ。
「美術手帖」2月号は2020年1月7日より発売中。価格は1600円(税別)だ。
「美術手帖」2月号
発売日:2020年1月7日(火)発売
定価:1600円+税
発行元:美術出版社
発売日:2020年1月7日(火)発売
定価:1600円+税
発行元:美術出版社