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『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』片渕須直監督、真木太郎プロデューサー
まず真木プロデューサーは「今日は監督に公開日を言わせるというあまりないイベントですね(笑)。後ほどサプライズの発表もありますのでお楽しみ」と挨拶して会場の笑いを誘う。最初は発表済みの特報第1弾が上映された。片渕監督は「実はこの特報をつくる際、本編映像の素材がほとんど出来上がっておらず、黒澤明監督が『影武者』の予告編を制作した際に本編映像を使わずに“東宝の屋上に旗をはためかせて”予告編を制作したというエピソードを思い出して、僕も“リンさんを一枚描こう”と思ったんです」と裏話を披露する。
続いて新カットで構成された特報第2弾がお披露目。すずがリンとともに桜の木に登ったり、雪の中を白い息を吐きながら懸命に歩いたりと、新たな一面が映し出された。そして「2019.12.20(金)」の文字が現れると、場内からは息を呑むような歓声と割れんばかりの拍手が起こった。
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『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』片渕須直監督
片渕監督は公開の時期について、「この作品はクリスマスのシーンから始まります。戦時中の話というと、どうしても8月のものと思われがちですが、“戦争も人の歴史も8月だけではなく日々続いている”と捉えていただきたかった。そんな思いで冬に公開するのが良いのではないかと思い定めました。」と説明。そして「世代を超えて、それぞれのご家庭で話をしていただけるタイミングという意味でも、年末からお正月にかけての時期が良いのではないかとも思っています」と理由を語った。
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『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』片渕須直監督、真木太郎プロデューサー
真木プロデューサーは新たなプロジェクトとして“応援チーム”の募集を5月下旬ごろから開始することを発表。クラウドファンディングではなく、エンドクレジットに名前を掲載できるプロジェクトであることを明かした。
最後に片渕監督は「もっと早く見られるのではないか。と期待していた方には申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、12月20日の公開までいくつかのイベントを計画しておりますので、そちらを楽しみに今しばらくお待ちいただければと思います」とファンに向けてコメント。「映画冒頭のシーンと同じ12月のクリスマスの時期に、装いを新たにしたすずさんが帰ってきます。また劇場に会いに来ていただけることを楽しみにしています」と締めくくった。
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2019年12月20日(金)テアトル新宿・ユーロスペース他全国公開
(C)2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会