米国アニー賞、高畑勲が功労賞受賞、ノミネート作品に「思い出のマーニー」「バケモノの子」も | アニメ!アニメ!

米国アニー賞、高畑勲が功労賞受賞、ノミネート作品に「思い出のマーニー」「バケモノの子」も

米国の国際アニメーション協会ハリウッド支部は、12月1日に第43回アニー賞のノミネート作品を発表した。『思い出のマーニー』と『バケモノの子』もリストアップされた。

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米国の国際アニメーション協会ハリウッド支部(ASIFA-Hollywood)は、12月1日(現地時間)に第43回アニー賞のノミネート作品を発表した。アニー賞は過去1年間に米国で発表されたアニメーション作品を顕彰するもので、作品賞9部門、個人賞は功労賞も含めて27部門からなる。映画や短編、テレビシリーズは勿論、ゲームムービーやコマーシャルなども対象にしており、アニメーション分野のアカデミー賞として知られている。
2015年は最優秀長編アニメーション賞(インディペンデント)に、日本の劇場アニメ『思い出のマーニー』と『バケモノの子』がリストアップされた。また『思い出のマーニー』は、米林宏昌監督が監督賞と脚本賞の2部門で名前が挙がり3部門ノミネートと存在感を発揮した。

またノミネートと共に発表されたウィンザー・マッケイ賞(Winsor McCay Award)を、高畑勲監督が受賞した。ウィンザー・マッケイ賞は功労賞にあたり、アニメーション業界の発展に寄与した人物に与えられる。これまでウォルト・ディズニーやジョン・ラセター、スティーブン・スピルバーグなどが受賞している。日本からは1988年に川本喜八郎、1989年に手塚治虫、1998年に宮崎駿、2013年に大友克洋が選ばれ、日本からは5人目となる。

『思い出のマーニー』は日本では2014年に公開されたが、北米では独立系の配給会社GKIDSにより2015年にリリースされた。このため2015年の作品となっている。また細田守監督の『バケモノの子』はやはり独立系のFUNimationが配給、上映されている。
両作品がノミネートされた最優秀長編アニメーション賞(インディペンデント)は、2015年から新設された。45分以上の長編でかつ、米国にて1000スクリーン以下で公開されているか、アヌシー、オタワ、広島、ザグレブの四大国際アニメーション映画祭で受賞していることが条件になる。今年は『思い出のマーニー』『バケモノの子』以外に、アヌシー国際アニメーションでグランプリを獲得したブラジルの『The Boy and the World』、レバノンの作家ハリール・ジブラーンの『預言者』を映像化した『Kahlil Gibran's The Prophet』がノミネートされている。4作品中2作品が日本からと受賞への期待もかかる。

長編アニメーションは近年世界的に制作が増える傾向にある。一方で、アニー賞では米国のスタジオが関わった大作がより脚光を浴びる傾向が強い。インディペンデント部門の設立は、より幅広い作品に目を向けようとのASIFAハリウッドの考えかもしれない。
一方、これまでの長編アニメーション部門ノミネートは5作品となった。『Anomalisa』(パラマウント)、『インサイド・ヘッド』(ピクサー)、『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』(アードマン)、『アーロと少年』(ピクサー)、『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』(ブルースカイ/20世紀フォックス)である。
全体ではピクサーの2作品が圧倒した。『インサイド・ヘッド』は14部門、『アーロと少年』は10部門でノミネートされた。作品賞にはノミネートされなかったが『ミニオンズ』も7部門と健闘している。
米林宏昌監督がノミネートされた監督賞(長編映画)は5人がノミネート。一方脚本賞は『インサイド・ヘッド』と『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』と『思い出のマーニー』から3人のみとなっている。こちらも賞の行方が注目される。
2016年2月6日に、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のロイス・ホールにて授賞式が行われる。受賞作品、受賞者もこの場で明らかにされる。

第43回アニー賞 ノミネートリスト
http://annieawards.org/nominees/

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