The BERICHら個性派アニメーション作家が世界へ向けて TIFFCOMでプレゼン | アニメ!アニメ!

The BERICHら個性派アニメーション作家が世界へ向けて TIFFCOMでプレゼン

国際コンテンツマーケット「Japan Content Showcase 2015」にてクリエイターによるプレゼンテーションがセミナールームで行われた。全8組のクリエイターが参加した。

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10月20日から22日まで東京・台場のホテル グランパシフィックLE DAIBAで国際コンテンツマーケット「Japan Content Showcase 2015」が開催された。期間中、会場では映像、音楽、アニメのさまざまなブースが出展され、セミナールームではイベントやセミナーが開かれた。
「Japan Content Showcase 2015」で目を惹いたブースとして挙げられるのはアニメーション作家にビジネスマッチングの場を提供した「Tokyo Creators NEXT」だろう。東京国際アニメフェア(TAF)に設置されていた「クリエイターズワールド」の志を引き継いだようなコーナーとなっていた。実際「Tokyo Creators NEXT」には、TAFの「クリエイターズワールド」に参加経験のあるクリエイターが集っており、強い作家性をもって来場者の興味を引いていた。

21日にはクリエイターによるプレゼンテーションがセミナールームで行われた。参加クリエイターは加藤タカさん、Spooky graphic/ハヤシヒロミさん、児玉徹郎さん、The BERICH、今林由佳さん、栗栖直也さん、山元準一さん、SUGARLESS FACTORYの全8組。
それぞれプレゼンテーションの中でターゲットとする年齢層や自身の作品の視聴者層を的確に把握しており、個性的な映像とともに作品に込めた思いや今後の展望を語った。

加藤さんはEテレの『くつだる』の監督でもあり、淡くカラフルな色合いが特徴的な作品を発表した。Spooky graphicのハヤシさんは『リトルチャロ』のキャラクターデザインを手がけている。キッズ向けのおばけアニメのプレゼンを行った。
児玉さんはECHOESという短編アニメーション制作会社の代表を務めており、現在もアニメーションの制作を受託しつつ短編制作を行っている。The BERICHは富山県出身の兄弟クリエイターで、ギャグアニメを得意としつつ、今回は一風変わった宇宙人が登場する幼児向け食育アニメのプレゼンテーションを行った。

栗栖さんはHand to Mouseという屋号でアニメーションを制作、今回は自身初のフルCGアニメーション制作のためのプレゼンを行った。トゥーンシェード風で独特の質感の塗りをもった作品だ。
山元さんは“山GEん”という名でさまざまな作品を生み出している若手クリエイターで、今回は幻想的で美しい背景と今風のキュートなキャラクターで、「男の子と、ゴキブリの遺伝子を注入された女の子の恋」を描いた『ゴキブリ姫』を発表した。
SUGARLESS FACTORYは『猫のダヤン』などを手がけてきた短編アニメ制作会社。主なクリエイターは武藤健司さんと作田ハズムさん。プロデューサーの藤田周文さんが登壇し、子ども向けオリジナル企画や大人向け企画などをプレゼンした。

印象的だったのは今林さんで、『みんなのうた』(NHK)などでも活躍するクリエイターで、やわらかいタッチのアニメを制作。学生時代に患った重い病気の経験から病床の子どもたちに寄り添うような作品『みゃくみゃく』を発表している。TGS2015で発表した『きみとくりお』といううつ病に関連したスマートホンアプリのデザインも手がけ、今後も教育、医療に関連した作品を制作したいと述べた。

個人、あるいは小規模な組織で、意欲的にクリエイティブな作品を制作し続けている若手クリエイターたちが、「Tokyo Creators NEXT」を経て世界、あるいはより多くの人々の目に触れる。そうなるための第一歩がここで踏み出されたのだと感じた。
[細川洋平]

[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
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