アニメーションと実写:方向性は異なるか 「アイス・エイジ」サルダーニャ監督が東京国際映画祭で講演 | アニメ!アニメ!

アニメーションと実写:方向性は異なるか 「アイス・エイジ」サルダーニャ監督が東京国際映画祭で講演

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10月26日の第28回東京国際映画祭においてMPAセミナー「アニメーションと実写:方向性は異なるか」が六本木アカデミーヒルズ オーディトリアムにて開催された。

セミナー第一部では『アイス・エイジ』などヒット作を手掛けたカルロス・サルダーニャ監督が自身の経験を踏まえた実写/アニメの考え方について話した。
ブラジル生まれのサルダーニャ監督はまず幼少時を振り返り「子供の中で男は僕だけだったので、サッカー選手だった父にボールを渡され上達することをのぞまれていた。でも、紙とクレヨンで遊ぶほうがずっと好きだった」。大学ではコンピュータサイエンスを専攻。卒業後はソフトウェア開発会社に就職したが、結婚を機にアメリカへ留学、コンピュータグラフィックを学んだという。
卒業制作の短編アニメーションが賞を受賞したことで道が開け、ブルー・スカイ・スタジオに就職。『アイス・エイジ』『ロボッツ』『ブルー 初めての空へ』など数々の人気作を生み出し、次のステップを「実写」と明言。同時に、絵本を元にしたアニメーション制作とを進めていると明らかにした。

サルダーニャ監督は「かつては隙間産業だったアニメーションだったが、今ではアニメと実写が競合し合っています。このため、大人も楽しめる良いストーリーを私は見つけていかねばなりません。劇場で作品を見た人に何かフィーリングを持ち帰って欲しい。そのためにはアニメでも実写でも、ベストな方法を選ぶこと。良いストーリーを語ることこそが大切で、そのための手段は次に考えることだ」と考えを示した。

次に行われたのは、TMI総合法律事務所の弁護士・遠山友寛氏、MPAアジア太平洋地域プレジデント&マーケティングディレクターのマイケル・C・エリス氏、ギャガ代表取締役社長兼会長の依田巽氏が「日本の映画産業及びテレビ放送産業の経済効果に関する調査」レポートをもとにパネルディスカッションを行った。
2015年に入ってNetflixやAmazon プライム・ビデオがスタートしたことを受け、配信ビジネスが将来どのような道を進むのか意見を求められた依田氏は「供給過剰になりつつある。日本のスクリーン数は3400ほど。サプライだけが増えているのは非常に大きな問題ですが、配信ビジネスがそれを補完してくれると期待しています。今年は様々な配信ビジネスが日本でスタートした配信元年。映画業界にとって朗報です」とコメント。
さらにこの先について、4Kでの家庭内視聴が増えるとしたほか、劇場ではDolbyやIMAXといった臨場感ある音声・映像をラグジュアリーなシートで楽しんでくれるのではないかと予想しているという。
一方で世界でも、今の日本のように配信ポータルが乱立する状況になった国があるという。マイケル氏は「オーストラリアにも同じような状況がありました。様々な料金システムや独占権などもあり、乱立した状態から大手が中小を吸収していった。最終的に消費者は様々な選択肢から選択していくことになるだろう」。日本の今の状況から注目に値するのはオーストラリアだとした。

セミナー最後のパートでは「デジタル時代におけるデジタルコンテンツの保護」をテーマにパネルディスカッションが行われた。全体で3時間の同セミナーでは各業界のトップによる意見を聞ける貴重な時間となった。
[川俣綾加]

[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]
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