[吉田羊コメント]■ 本作のお話が来た時の感想を教えてくださいアニメーションへのアフレコに正直憧れていたので、今回お話しをいただいたとき嬉しかったですね。それが真っ先に、率直に感じた感想です。本作は、大ヒット作『あの花』のスタッフが再びタッグを組み作られる作品ということで、これは間違いなく、再び全国を暖かい涙で包む名作になるではないかと思いました。そういう作品の“住人”として起用していただいて感謝しております。■ 脚本を読んでの感想を教えてください。主人公が高校生であるにも関わらず、自分の事として身近に共感することができたんですね。それは、思春期特有の言葉にならないもどかしさですとか、言葉選びを間違って人を傷つけてしまったり、それによってまた自分が傷ついたり、そういう景色が、大人である私の中にもきっとあるからだったんだろうなと思いました。ですので、幅広い世代の方に楽しんでいただけるのではないかと思います。■ 順の母親というキャラクター役について。演じる上で気を付けたこと。主人公の順が言葉を失う大きなきっかけを作った人物ではあるなと思います。その彼女が言葉を失ったこと、喋れないことを心配しながらも、距離が縮まないことがもどかしくって、実はこのお母さんもまた心に秘めた言葉をうまく出せずにいる一人なのかなと読みました。順にかける言葉は大体きつい言葉が多いのですが、それは愛情の裏返しなのだと思っておりました。本当は順をとても愛していて、距離を縮めたいと思っている気持ちはぶれずにいたいと思っておりました。■ 初挑戦のアフレコについてすごく難しかったです! 事前に絵だけのVTRをみたんですけど、あれ、これ壊れてるのかな? と音量を最大にしたくらい訳がわからず、そうか声が入っていないのかと気づき、次には画面に役名が出てきて点滅していて、これはなんだろうと思って途中まで見ていたら、これが私のしゃべるタイミングなんだとわかりました。それぐらい勝手がわからない新しい世界でした。声だけで感情を表現するという作業が、見てると簡単そうに見えても、やってみるとすごくそれが難しくって私にとってはすごくいい経験となりました。■ 実写とアニメーションの演出の違いリアクションと言われる演出が難しかったです。「ふり向き」とか「曖昧な挨拶」などです。普通に生きてたら、ふり向きで「はっ」とか言わないじゃないですか。でもそれをあえて音にすることで振り向いたという事をわからせる。振り向く瞬間にその人がどういう思いでいるのかをわからせるという作業がすごく新鮮でした。■ アフレコは慣れましたか?いやいや!とんでもないです!すごく難しいです。もちろんまた機会を頂ければ、挑戦したいと思いますが、今回、順役の水瀬さんと掛け合いをやらせていただきましたが、やはりプロの声優さんというのはすごいなと感じました。■ 観客へのメッセージあの日言えなかった言葉、言い残したことは大なり小なりみなさんの心にあるんじゃないでしょうか。言葉は伝えてこそ、伝えなければそれは思ってないのと同じ事。映画をみて少しでも心を開いていただいて、言葉を伝える勇気を持ってくれたら嬉しいなと思います。ぜひ劇場でご覧ください。お待ちしております。『心が叫びたがってるんだ。』(C) KOKOSAKE PROJECT