アニメ演出として1970年代より活躍してきた滝沢敏文氏が、2015年6月22日に食道ガンのため逝去した。61歳だった。滝沢氏は1953年9月18日に長野県松本市で生まれた。東京造形大学卒業後、東京アニメーションフィルム(現アニメフィルム)に入社し、撮影スタッフを務めたのがアニメでのキャリアのスタートだった。シンエイ動画に移籍後に、演出に転向した。滝沢氏の代表作は、日本サンライズ(現サンライズ)に活動の拠点を移した後の1980年代以降に集中する。当時SF・ロボットものを得意としていた日本サンライズと、滝沢氏の重厚感のある演出がマッチしたともいえる。1982年にはテレビシリーズでも演出を務めた『伝説巨神イデオン』の劇場版である『伝説巨神イデオン 接触篇』、『伝説巨神イデオン 発動篇』で監督デビューした。総監督・富野喜幸氏(現富野由悠季)との仕事だ。容赦のないストーリー、畳み掛けるような展開は、富野氏と同時に滝沢氏の持ち味でもあった。同作は日本のアニメ史上に残る傑作として、いまに至るまで高く評価されている。1985年のテレビアニメシリーズ『ダーティペア』も、滝沢氏の代表作のひとつ。高千穂遙氏によるSF小説を軽快なアクションで仕上げた。1989年に監督したOVA『クラッシャージョウ』も高千穂遙氏が原作のSFアクションである。日本サンライズとSF、そして滝沢敏文氏の取り合わせは、まさにはまった企画だったのかもしれない。監督作品以外でも、「装甲騎兵ボトムズ」シリーズをはじめ、日本サンライズのロボットアニメでは欠かせない顔であった。2004年には得意のSF分野で新たな挑戦をした。黒澤明監督の代表作である時代劇『七人の侍』のアイディアを宇宙に移した『SAMURAI 7』を監督した。同作で滝沢氏は日本だけでなく、海外でも広く知られるようになった。[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載記事]
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